Morning*glory
「よし、大事な物持ったよね?」
玄関前の鏡を見て念入りに
格好や持ち物の確認をする。
「行って来ます。」
と、靴を履いて
ポアロへ向かう。
道中、急いでいて人とぶつかり
お気に入りのハンカチを落として
しまった事を今の彼女は気付かない
「ここだよね、ポアロ」
覚えた地図通りの場所に合ったので
比較的早く着けたのだが、志保の
姿がまだ見えず周辺をキョロキョロして
居ると、後ろからあの少年の声。
「ねぇ、お姉さん。誰かと待ち合わせしてるの?」
一瞬吃驚するも、直ぐ
「そう、待ち合わせしてたんだけど…私、着くの早かったみたい。」
と困ったように笑いながら返事を返し
「えっと、君も待ち合わせなのかな?」
目線を合わせる為にしゃがみ
今度は自分から問い掛ける。
「んーん、僕は」
少年が口を開きかけた所で、背後から声が。
「あら、先に着いていたのね桜海。」
「なっ、お前…なんで」
「彼女と待ち合わせしてたのは私だから、で?貴方はなんの為にここに居るのかしら」
待ち人が来て嬉しい反面、何故か不穏な空気になってしまった状況に耐えられなかった私は……