朝さに
今日の出陣も勝利。
ただし重症一名。南海太郎朝尊。
審神者は今すぐ手入れすべし。
傷ついた刀剣男士の手入れをする。いつものことだ。
「これだけ重症でも…治るのだから…この身もおもしろいね…」
私としては、生きていてくれて嬉しい。
怪我で苦しむ姿を見たくない。
戦をしろと命じた自分が言ってはいけないことなのだろう。
でも、考えること。願うことはどうか許されてほしい。
この子達の罪は全部自分が引き受ける。だから私は地獄行きで良い。
それがきっと私にできる唯一のことだ。
「そんなに怖い顔をしないでくれ…。ほら、天の川がこんなにも美しいのだから」
暑いだろうと思って障子を開けていたのだった。
色とりどりの笹の葉が揺れている。
ああ、違う。短冊だ。今日は七夕だった。
「…七夕を楽しんでいる皆の声が聞こえるね。…うん。なんと言えば良いのだろう。きっと…これが幸せという感情で合っているのかな?」
「そうね。きっとそうよ」
目から流れた涙を輝きに変えて、織姫と彦星のための橋にしてしまいたい。
そうすれば、あなた達の無事を願う願い事が叶うのだから。
「泣かないでくれたまえ。僕は君を笑わせていたいのだから…」
「馬鹿なひと」
今、この顔が緩んでいるのも許されていたい。
七夕だもの。
これくらいはきっと─。
ただし重症一名。南海太郎朝尊。
審神者は今すぐ手入れすべし。
傷ついた刀剣男士の手入れをする。いつものことだ。
「これだけ重症でも…治るのだから…この身もおもしろいね…」
私としては、生きていてくれて嬉しい。
怪我で苦しむ姿を見たくない。
戦をしろと命じた自分が言ってはいけないことなのだろう。
でも、考えること。願うことはどうか許されてほしい。
この子達の罪は全部自分が引き受ける。だから私は地獄行きで良い。
それがきっと私にできる唯一のことだ。
「そんなに怖い顔をしないでくれ…。ほら、天の川がこんなにも美しいのだから」
暑いだろうと思って障子を開けていたのだった。
色とりどりの笹の葉が揺れている。
ああ、違う。短冊だ。今日は七夕だった。
「…七夕を楽しんでいる皆の声が聞こえるね。…うん。なんと言えば良いのだろう。きっと…これが幸せという感情で合っているのかな?」
「そうね。きっとそうよ」
目から流れた涙を輝きに変えて、織姫と彦星のための橋にしてしまいたい。
そうすれば、あなた達の無事を願う願い事が叶うのだから。
「泣かないでくれたまえ。僕は君を笑わせていたいのだから…」
「馬鹿なひと」
今、この顔が緩んでいるのも許されていたい。
七夕だもの。
これくらいはきっと─。
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