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ひぜさに

拝啓 夏の酷暑様
ただそこにいるだけで汗が流れていく。そんな気温に設定したのはなぜなんでしょうか。
お陰で私はとても困っております。
隣を見れば首の包帯を取ったせいで、光の下に晒されている喉仏。薄っぺらいタンクトップはとっくに脱ぎ捨てられ、白くみずみずしい肌が光っている。
それになんといっても、引き締まった男の体。見れば見るほど顔が熱くなっていく。
「おい、なにジロジロ見てんだ助平」
助平はひどくないか。助平だぞ、助平。
「あのさ、なんで上半身裸なの?」
「あぁ?暑いからに決まってんだろ」
「…元主さんたちは土佐生まれじゃない」
「チッ、今年が暑すぎんだよ」
うーん、確かに今の気温は三十四度。日本人(刀)には厳しすぎる暑さだ。
「そういうあんたは暑くねぇの?」
「くそ暑いです」
暑いに決まっとるやろが。あと肥前さんの裸で顔が真っ赤なんだわ。
「いいよなぁ、男の子は上半身脱いでも許されて」
ここが本丸ではなかったら、下着姿で冷房を効かせながらアイスに齧りついていたよ。
「脱ぎてぇの?」
「出来ることなら」
へぇ、と意地悪そうな顔を浮かべた肥前さん。
あれ、これ、私やっちまったな…。
立ち上がったと思ったら、すぐさま抱きかかえられる。
「あの…肥前…さん?」
「お望み通り脱がしてやるよ」
部屋でたっぷりなと耳元で囁かれれば、拒否なんてできない。
「れ、冷房はちゃんと効かせてください」
更に厚くなることが予想されます。
私のお願いに、おうとちゃんと返事してくれた彼氏に感謝して、ぎゅっと抱きついた。
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