雑記
【エッセイ】彼はイエベだのブルベだのわかって言っていたのか?
2026/07/16 13:58つぶやき
自分がいいと思ったものを、思いがけず誰かから全否定される──みなさんにもそういった経験は少なからずあるだろう。
私とて例外ではない。あれは小学二年生のときだった。
カタログ通販(若者たち、まだネットでの買い物が身近でなかった時代のことなのだよ)で買ってもらった、やや厚手でやわらかい生地の水色のトップスとハーフパンツに袖を通した私は、それはそれはご機嫌だった。
カタログで見た瞬間から気に入った服で、色の名前が「水色」ではなく「サックス」と表記されていたのも、なんだかおしゃれでかっこよく感じたのだ。
髪も母親に三つ編みに結ってもらい、うきうきとした気分で元気に登校していった。
さらにその日は、教室の壁に貼るプロフィール用の写真を撮る予定があり、私にとってこの水色のセットアップは、まさに勝負服だったのである。
教室に入るとまだ誰も来ていなかった。
別に「その服かわいいね」などと言ってもらいたいわけではなかったが、早く誰かにこの姿を見せたかった。
そうこうしているうちに、当時それなりに仲の良かった男の子が登校してきた。
彼とはたびたび遊ぶこともあり、友達として好きだった。小二ならまだ思春期前であったし、異性として意識することもなかったのだが。
それはさておき、彼は私を見るなり、真顔でこう言った。
「ちーたらちゃんは水色が似合わないね」
なんということだろう。私はとても気に入っていたのに。ただ、彼の言葉はそれで終わらなかった。
「ピンクとか赤のほうが似合うよ」
え? そうなの? 思わずそう聞き返しそうになった。
自分でわかっていなかったことを、彼が知っていたとは。むろん、今思えばそれだって彼の主観にすぎなかったのかもしれないが。
しかし、ただ否定するだけでなく、代替案もちゃんと出してくるあたり、彼は小二にしてかなりデキた男だったといえるだろう。
結構ショッキングなことを言われたわりにはそれほど傷つかなかったのは、このさりげないフォローがあったからではなかろうか。
どちらにせよ、彼が似合わないとバッサリ切り捨てた水色の服を着てご満悦な表情の私の写真が、学期末まで貼られることになったのだが。
*****
はい、というワケでここでは初のエッセイでした。これもpixiv企画のために書いたもので、当初は小説がいいなと思っていたのですが、どうしてもネタがまとまらず、エッセイならテーマに合う思い出があったのでしたためた次第です。
今後は小説でもエッセイでもいいから、とにかく月に一本はなにか文章を書いていこうかと。ただ事実に基づくエッセイを創作物として小説と一緒に並べるのはどうなんだって感じがするので、エッセイの掲載はひとまずこっちにしておきますね。
ある程度数がたまったら、「エッセイ」カテゴリを作るかもしれません。
私とて例外ではない。あれは小学二年生のときだった。
カタログ通販(若者たち、まだネットでの買い物が身近でなかった時代のことなのだよ)で買ってもらった、やや厚手でやわらかい生地の水色のトップスとハーフパンツに袖を通した私は、それはそれはご機嫌だった。
カタログで見た瞬間から気に入った服で、色の名前が「水色」ではなく「サックス」と表記されていたのも、なんだかおしゃれでかっこよく感じたのだ。
髪も母親に三つ編みに結ってもらい、うきうきとした気分で元気に登校していった。
さらにその日は、教室の壁に貼るプロフィール用の写真を撮る予定があり、私にとってこの水色のセットアップは、まさに勝負服だったのである。
教室に入るとまだ誰も来ていなかった。
別に「その服かわいいね」などと言ってもらいたいわけではなかったが、早く誰かにこの姿を見せたかった。
そうこうしているうちに、当時それなりに仲の良かった男の子が登校してきた。
彼とはたびたび遊ぶこともあり、友達として好きだった。小二ならまだ思春期前であったし、異性として意識することもなかったのだが。
それはさておき、彼は私を見るなり、真顔でこう言った。
「ちーたらちゃんは水色が似合わないね」
なんということだろう。私はとても気に入っていたのに。ただ、彼の言葉はそれで終わらなかった。
「ピンクとか赤のほうが似合うよ」
え? そうなの? 思わずそう聞き返しそうになった。
自分でわかっていなかったことを、彼が知っていたとは。むろん、今思えばそれだって彼の主観にすぎなかったのかもしれないが。
しかし、ただ否定するだけでなく、代替案もちゃんと出してくるあたり、彼は小二にしてかなりデキた男だったといえるだろう。
結構ショッキングなことを言われたわりにはそれほど傷つかなかったのは、このさりげないフォローがあったからではなかろうか。
どちらにせよ、彼が似合わないとバッサリ切り捨てた水色の服を着てご満悦な表情の私の写真が、学期末まで貼られることになったのだが。
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はい、というワケでここでは初のエッセイでした。これもpixiv企画のために書いたもので、当初は小説がいいなと思っていたのですが、どうしてもネタがまとまらず、エッセイならテーマに合う思い出があったのでしたためた次第です。
今後は小説でもエッセイでもいいから、とにかく月に一本はなにか文章を書いていこうかと。ただ事実に基づくエッセイを創作物として小説と一緒に並べるのはどうなんだって感じがするので、エッセイの掲載はひとまずこっちにしておきますね。
ある程度数がたまったら、「エッセイ」カテゴリを作るかもしれません。