風紀委員長の計画
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「綱吉ったら、お昼くらい教室で食べてなよ。探すの面倒じゃん」
とかなんとか言いながらしっかり探すのだが… 。応接室にいた雲雀は流れてきた放送を聞き、チャンス!!と綱吉の教室に来たのだが居なかったため、こうして校内をウロウロする羽目になった。
パタパタパタッ
「ヒバリ、ヒバリ。ツナヨシイタ」
そこへ羽音を響かせヒバードがやって来た。
どうやら雲雀の探し物を見つけて来たようだ。
「どこにいたの?」
差し出された指にとまると
「オクジョー」と答えた。
「ああ、成る程」
通りで見つからないわけだよ。
パタパタパタッ
ヒバードは、また窓から外へと飛んで行った。
もちろん例の唄を歌いながら。
雲雀は綱吉のいる屋上へ向う。
ややスキップするかのような軽い足取りで、階段を上がって行く。
ガチャ
最後の階段を上り、ドアノブを回し少し重たい扉を開けた。
まだ昼休みなのでちらほら人がいるが風紀委員長と言う予想外な人物の登場に、そこにいた生徒達は逃げるようにしてその場を去って行った。
だがその中に綱吉は居なかった。
「?」
疑問に思い、入口から死角になっている所を覗いてみると
「!!」
ヒバードが伝えたように綱吉はいた。
が、通りで逃げなかったわけだ。彼は座り格子に背を付け寝ていた。
「無防備すぎ…」
雲雀は綱吉の横に座り顔を覗き込んだ。
日の光で琥珀色に透ける髪を、そっと撫でる。
~っ…ほんっとカワイイんだから綱吉は!!
最近は綱吉を狙う輩が増えて困るよ。パイナポーだけでも面倒なのにね…ぁ、そう言えば草壁は奴をしっかり埋めてくれたかな?後で見に行かなくちゃ。
「んっ…?」
あっ、綱吉起きた。
人の気配にぼんやりと目を覚ました綱吉は、隣に座る人物を見て一気に覚醒状態になった。
「ひ、雲雀さん!!!?」
辺りをキョロキョロしだし、突然の状況を掴めずにいる綱吉に声が掛かる
「綱吉。」
「は、はい?;」
「無防備すぎ、一人の時は応接室に来なよ。僕がいるから安全だし」
「え?…それって」
雲雀さん、俺の心配してくれてたの?
「返事は?」
チャキッ
「はいぃ!!;」
「それでいいんだよ」
雲雀は満足そうに微笑み、トンファーをしまった。風紀委員長の計画は着々と進行しているようだ。
END
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