戯れ
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ダンッ!
!??
『…ょ…ぅ骸。』
大きな音で意識が段々とはっきりしてきた。
雲雀が部屋から出て行った後に突っ伏した頭をゆっくりと持ち上げたジャンニーニは、ボーッとする頭を働かせ始めた。
「あ、あれ?私は…眠ってしまったんですかね。」
んー寝てしまう前確か…
あ!そうだ私はリボーンさんと話をしていたはず。
ジャンニーニは眠ってしまう前の記憶をうんうん唸りながら思い出し始めた。
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「おうジャンニーニ、訓練場ツナ専用にオートマ改造したんだってな。あいつやる気満々で出て行ったぞ」
出入口の扉に手をかけひょっこり顔を出したリボーンはモニター前に座るジャンニーニに声をかけてきた。
「あ、リボーンさん!それは何よりです。十代目のお役に立てて私も嬉しいですよ」
「最近あいつ雲雀にコテンパンにやられてたからなぁ、鍛え方が足りねぇと思ってたところでちょうど良かったぞ。」
そう言ってニヤリと笑みをこぼす。
「リボーンさんもなかなか手厳しいですねぇ〜。」
十代目頑張って下さい!!;
ジャンニーニは、出会った頃に比べ頼もしくなったもののまだ幼さの残る若きボンゴレ十代目にエールを送る事しか出来なかった。
そんな話をしているとリボーンは通路の方から誰か来たのか、ジャンニーニからそちらへと視線を移していた。
「よぉ、クローム。キョロキョロしてどーした?探し物か⁇」
ジャンニーニからは見えないがどうやら通路を歩いてきたのはクローム・ドクロの様だ。
「あ、ボスを探してて…骸様が、戻るかもって伝えたくて。」
「…そうか。」
リボーンは何か考えている様子だったが、何か思いついたかのように指をパチンと鳴らした
「ツナは今特訓中だから、俺が伝えておいてやるぞ。」
「…分かった。」ペコッ
クロームも邪魔しては悪いと思ったのか、言伝をリボーンに頼み軽く頭を下げて戻って行った。
「…という訳だ、俺も用が出来ちまった。」
そう言いながら室内へ入り後ろのコーヒーメーカーを起動すると、出来上がったカップをジャンニーニへ差し出した。
「これはこれは、リボーンさんがわざわざ淹れて下さるなんて何か起こるんですかね。」
ハハハッと笑いつつ「有り難く頂きます。」と口に含む。
「そうだな。何かが起こるかもしれねぇが、それは起きたらのお楽しみだぞ。」
事が起きてからでは遅いのでは!?
と突っ込みを入れようと思ったが、カップを置いたジャンニーニの視界は段々と狭くなり
眠気に耐えきれず突っ伏した。
「寝て起きたら…な。」
最後に聞こえたリボーンの声はゲームを楽しむかのように上機嫌だった。
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起きたらって、そっちの起きたらっていう意味だったんですかー!?
事の発端を思い出したジャンニーニは青ざめた。
リボーンさん!!身内になんて事してるんですか!!! ガーン
ちゃっかり嵌められた事に気が付いてしまったのだ。
思い出しつつショックを受けていると、
ドーーーーン!!!
急に爆発音が響く
「な、何事です!?」
急いでモニターを確認したジャンニーニは驚愕した、と同時に思った。
これはまた徹夜で修理ですか…?リボーンさん?
今はこの部屋にいないが満面の笑みで
「任せたぞ⭐︎」と言っている彼の姿が浮かんだのは気のせいではなさそうだ。