戯れ

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はぁ、家庭教師にこの封書を届けろと言われたものの…あの小動物、どこにいったのさ。

ツカツカと足早に廊下を歩くのは雲雀恭弥だ。
綱吉の部屋を訪れるも、不在の為こうしてわざわざ探しまわっている。

届けろと言われた時は「何で僕が。」と悪態をついてみたものの

「まぁお前が行った方があいつの様子が面白いからな。」

「…。」
こちらの気持ちを知ってか知らずか、何か企んでいるような笑を向けられたのだった。
彼の暇つぶしだろうとも思い、結局何らかの理由がないと綱吉の顔を見に行けない自分がいる事も重々承知してるだけにリボーンの提案に乗る他無かった。

広いアジトをうろつくのは効率が悪い
辿り着いた部屋の扉にパスワードを入れ入室すると、やや薄暗い室内の壁に無数のモニターが青白く光っている。
アジト内の防犯カメラの映像だ。

モニター越しまで近づくと
「ズーズー」とイビキが響いた。

いつもなら元気に声をかけてくる部屋の主ジャンニーニがモニター前の大きな椅子に座りながらも突っ伏して寝ていた。

カップにコーヒーが残ったままだ、そんなに疲れているのだろうか?

「そんな事より綱吉は…っと。」
変な違和感を感じつつもモニターに注視する。

「室内訓練場…b3室か…ん?」
そこにはちょうどカメラからは後ろ向きに佇む綱吉が映っていたが、鋭い雲雀は様子に違和感を感じた。
何か身構えるような…
そう思った次の瞬間、彼の姿は長身の男の背に覆い被さり見えなくなった。
ついでに彼の仕業かカメラ映像はだんだんと濃い霧に包まれていった。

ダンッ!!

「綱吉に性懲りも無く…今日こそ咬み殺してあげるよ。六道骸」

わなわなと硬く握られた拳でテーブルを打ち付けた雲雀は、トンファーを携え室内から足早に立ち去っていった。


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