戯れ
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「はぁ…はぁ、ふーっ」
最近雲雀さんの相手にされるから、もう少し動けるようにしておかなきゃな。
手加減を知らない雲雀の顔を思い出し思わず苦笑いを浮かべた綱吉は、ペチペチと頬を両手で叩き自分を鼓舞した
「よしっ!もういっか…ぃ」
ゾクッ
この気配、は、
どこだ?と目だけをキョロキョロと動かす綱吉。
さっきまで訓練していて静まりかえった部屋も何だか急に不気味に感じた。
「クッフフ」
独特な笑い声と共に背後に現れた彼、六道骸は
綱吉に抱きつくような形で腰に手を回すと
するりと太ももの内をツーッと指でなぞった
「っ!ひょわーーー!?」
「何て声を出すんですか、全く色気もありませんね。」
「当たり前だろ、急に現れておいて!ってか変な触り方やめろ!」
「おや?その様子だと聞いてないですか?」
「?」なんの事?と思いつつもジタバタとしてみせるが、後ろからしっかりと抱きつかれておりまったく離せる気がしない。
「クフフ、それよりも1人で特訓とは、精が出ますね。」
「ってこのままかよ!ま、まぁ最近雲雀さんとする事が多いから。もうちょっと体力付けようと思って。」
「するって…何をです!?綱吉くん、僕と言うものがありながら!」
「誤解を招くような言い方やめろ!手合わせに決まってるだろ!」
わざとらしくメソメソとしてみせる骸だが、口元は弧を描き完全にからかわれている。
「たまには僕の相手もして下さいよ。」
「え〜、色んな意味で怖いから嫌だよ。フラン君とかいるじゃない。」
「そうですか。じゃあ綱吉君のメンタル強化でもして差し上げましょうか⁇」
「メンタル強化…?」
また変な提案を、と呆れて後ろに顔を向けた。
あ、これヤバいやつだ
赤く光る瞳と目が合ってしまった。
すると地面から植物の蔦がバッと伸び、綱吉の足元、ふくらはぎをグルグルと巻きつけ太もも辺りで止まった
「な、何!?」
急に足に絡みつくそれに慌てている綱吉に目を細めると、骸は口元を綱吉の耳へ近づけた。
「もし貴方がこんな風に捕まってしまったら?こんな風に敏感なところを弄ばれたら?」
そう言いながら腰に回していた手を離すと
グッと綱吉の腕を掴み、もう片方の手で唇をなぞった。
そのまま喉元、胸へゆっくりとすらっとした指が下ろされた。
「っ、ん!骸やめっ!やだっ」
「…そんな可愛い声では煽るだけですよ?困りましたね。」
「いや!変なとこばかり焦らして触るから、こっちが困ってんだよーーー!!
この変態がぁああ!」
綱吉が耐えている最中も骸は手を動かし続け、いつのまにかシャツの下を這いツンっと立っていた乳首を掠めた。
「んぁっ!お、お前な〜///」
「そうそう、その意気ですよ。メンタル強化が目的なので耐えて下さい…ね?」
「ンっ!!」
今度は掠めるのではなく、確実にそれをグリグリと虐め始めた指に思わず体がビクッとはねた。
続けられる刺激に綱吉は膝から崩れ落ちてしまいそうになるが、足に絡みついた蔦がそれを許さない。
「もぉ…無理、むく…ろぉ」
言われた通りぷるぷる震え耐えている姿に、
ぞくりとしている自分にため息をついた。
ああ、自分をこんなにも人間らしい感情に駆り立てるのは…いつだって君だ。
「貴方って何でこんなに愛おしく感じるのでしょうかね?」
それは綱吉に問いかけるというよりも、独り言に近い言葉だった。