Babyな君


「綱吉、まさかそんな格好で帰ろうなんて思ってないよね?」

「へ?;…思ってたんですけど、ダメですか??」

「十代目!!それは危険すぎます!」

「確かにこれ一枚で歩いてたらちょっと変な目で見られちゃうかな?」

「ちょっとどころじゃないですよ綱吉君!!いろんな意味でガン見ですよ←」

「お前が一番恐いわ!!;」

「骸クン、こういう時に君のスキルがあるんでしょ?♪」

「あぁ、そうでしたね」

「いやいやいや;違うって言えよ。なに納得しちゃってんの」
すかさずツッコミを入れる綱吉だったが、こんだけ集まると手におえなくなっていた。

「そうですね…」
骸は顎に手をつけ何かを考える素振りをみせる。そして口角が弧を描き俺を見やる。
ああ、不吉な予感。
すると右目の六の字が一へ変わり、赤い瞳は妖しく光る。
そんな妖しく光る瞳につい魅入ってしまった俺は気がつかなかった…

「ワォ、綱吉似合うね」

「………な!!??」
何じゃこらぁーー!!
ていうか後悔した、骸がちょっとでもカッコ…イイと…か。
やっぱりただの変態だったよ。
俺が着てるのはどっからどう見てもメイド服、
しかもやたらと可愛い!
そんなところに想像力という能力を使ってどうするよ、このナッポー。

「これじゃあんまりさっきの状態と変わらないよね、骸?」
笑顔で怒りを称えると
冗談だと笑って返されるが、本気で考えた結果がこれだったと思う。
だって何か俺を見る目がいつもより輝いてるもん、男にこんなもん着せて何が楽しいんだ。

あれか、新手のイジメとか;;
俺がぶつくさ言っている間にも骸の瞳は妖しく光始めた。今度はどんな不気味な格好にされたのか不安でたまらない。
ふん、笑いたければ笑うがいいさ!!!
だが俺の覚悟とは裏腹に誰も何も言ってこない。
いや…それはそれでいいんだけれど、あれほど煩かった人達が急に一声も上げなくなるのは不安になるんだ。

―ま、まさか声もでないほど俺の格好が悲惨なのか、そうだったら…恨むぞ骸。

俺は恐る恐る皆の方に目を向けた。

「……え?」
もしもーし、なんかみんな目を丸くしたままフリーズしてるんですけど?何で??

訳がわからずついこっちの疑問が声として漏れてしまった。
いったいどんな格好に…

サラッ

「……………はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
か、かかか髪が
伸びてる…だと!?
いやホラー的な意味じゃなくて;;

そう、綱吉の髪は背中に流れ
るくらい長くなっていて服装はと言えば並中女子の制服だった。

「こ、これは―」
どういうこと?と目で訴えかけてやると、目の前の彼は更に笑みを深くし言い放つ。

「メイド服が嫌ならこれで決まりですね」

「ええ!?;」

「そうだね♪勿論君に拒否権は無いけどね、綱吉クン?」

「ぇえええ!?」
何だこいつら、ただの鬼か。横暴な…

「綱吉こっち向いて」

「はい?」

パシャ!

―――何故撮ったしヒバリさん!!;
って、カメラはどこから!?

わたわたしている綱吉に構わず、どこからかカメラを取り出した雲雀は満足気な表情をしている。

「じゃあ僕は行くよ…いろいろやることがあるからね」

「私もっ、じゃあねボス。骸様先に帰っててください」

二人は教室を出て行った。どうやら強制終了させられた写真交換会を続けるようだ。

そこに取り残された全員は思った。
(あの二人仲良かったの?)
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