Babyな君


朝から今日も学校へ向かう、勿論愛用バットを持って。
部室に着くとちらほら部員がいた、はよー。と声をかけ部活着に着替えた。
今日は全体で試合をして個人練習をその後行い、最後に全員でグラウンドを走り終了だ。

近々他校との練習試合も控えていたこともあってか、全員いつもよりキビキビ動いていた。
時間が経つのは意外に早く、すでに昼を少し過ぎ部活も終盤の走り込みを終えようとしていた。

その時に本当に偶然だけど、ふと顔を上げた時
目の前の校舎に人影が見えた。
誰だ?こんな休みの日に…なんて目を凝らすと、自分が知る人物だったのには驚いた。
誰かと話しているのか横を向き動かないでいる…が、次の瞬間思いもよらない事態に俺の動きは止まった。

何で…;三叉槍を出す必要がある?

どうやら自分が思っている以上に事態は深刻なのかもしれない。

今朝、茶柱が立ってたからいいことあるぜって親父が笑いながら言ってた。だといーな。なんて俺も笑いながら答えたが…ある意味特別な日になりそうだ。

俺は急いで着替え、バットを筒に入れ肩に掛けて校舎へ走った。

――――――――――

その頃、綱吉はというと…
「大問題だ;」
体の小さくなった俺は、急ぎたいのにこの大きさのせいで障害となる物があることをすっかり忘れていた。
下手をすれば上から下まで転げ落ちるであろう…階を重ねる度に現れる階段だ。

俺は今二階にいる、何やかんやで白蘭達がここに来るのを信じて一階へ降りようと考えたはいいけど…時間がかかりそうだ。けど、俺が進まなきゃリボーンは見つからないんだ!!

綱吉は後ろ足から順に降ろし、少しずつでも下へ降りることにした。

しかしどうやら綱吉の勘は当たっていたようだ、階段を誰かが上がってくる音が聞こえる。
やや駆け足にどんどん音は大きくなり、その人物が階段の角を曲がって来てお互いに目が合った瞬間、驚きの表情になる。

「や、山本!!??」
自分が予想してなかった人物の登場に目をパチクリさせる。

「えっ、ツナ…か??」
こっちもいろんな展開に何が何やらである。
すると山本はツナの近くへ行き、ヒョイと抱えて腹や背に付いた埃を軽く叩き払った。

「けほっ;あ、ありがと山本///」

「で…これは小僧のせいなのか??」

「いや~俺も起きたらこの姿だったから何とも言えないんだけど多分そうだと思う。こういう事するのアイツしかいないし。」

「だな。」

苦い表情をして言う俺に、山本も苦笑しながら答えた。すると山本は、
「ぁ。」と何かを思い出したように呟いた。

「そう言えばさっき校舎の窓にクロームが見えたんだ。様子が変だったから急いで来たんだけど…」

そう言うことだったのかと俺は納得し、さっきの事を説明した。

「成る程な、じゃあ小僧を探すのが先だな。あっちも心配だし急ぐか」

ツナを片腕に抱えて、階段を降り一階へ辿り着く。
「でも…リボーンどこにいるのかな??」

「そうだな…この中とかは?」

山本が何気なく指を指した場所は白い壁によく映える赤い警報器…のボタンの下、消火器が入っている場所のようだ。

俺は山本の冗談だと判断し、お互いに笑う。
山本もなーんてな。とか言いながらそこに手をかけ、キィと高い音をたて開いた。

俺達の笑いもそう長くは続かなかった。
だってそこにはティーカップを片手に寛ぐ彼がいたのだ。

「チャオ」

「「いたぁぁぁ!?」」
7/12ページ
スキ