Babyな君


校舎に入ると休日の校内は無人だ。
階段を登っていくとクロームが何かを見つけたように廊下の窓に近づき外を見て呟いた。

「ボス…雨の人。」

「あめ?」

そう言って指を指した先を追っていくと、
グラウンドでは野球部が走り込みをしていた。
野球と言えば勿論

「ぁ、山本だ!!」
そっか野球部は部活があったんだ。
頑張れ山本…!

部活動に励む山本を応援していると、誰もいなかったはずの廊下に声が響く

「部外者は立ち入り禁止だよ」

ビクッ!!

この声は、もしかしなくてもあの方…どうか違う人であれとゆっくり声の方へ顔を向けた

雲雀さんきたーーー!!
むしろ登場が遅いくらいか;

俺が雲雀さんの脅威に怯えていても、どうやらこの二人はお構い無しの様だ。

「ボスと私は探し物があるだけ…貴方には関係ない。」

いつもの彼女とは少し違う雰囲気を纏い、前の人物を見据える。
目の前の雲雀は目を細め、不敵な笑みを浮かべて言った。

「いい度胸じゃない。言わせてもらえば、ここは僕のテリトリーだ…部外者が探し物をするなら許可が必要だよ。今すぐ咬み殺してあげてもいいけど、その君が抱えている者を渡せば逃してあげてもいい。」

「!?」

「ふぇ!?;ぉ……俺?」

「赤ん坊が言ったことは本当だったみたいだね。綱吉、こっちにおいでよ。」

トンファー構えてる人の所へなんか誰が自ら行けようか。
全力でお断りします!!

首をブンブン横に振り、拒む俺を見て少し驚いた後に笑みを更に深くし
面白い。と呟いた。

ああ、弱肉強食ってこのことだ。草食動物の気持ちがわかるよ;こんな姿でなければ太刀打ちしたい…(もちろん自己防衛だよ)

捕食者は獲物を狙うかのように目をギラつかせて構える。
するとクロームは俺を降ろして三叉槍を取り出し構える。

「ボス、ここは私が…だから安全なとこへ」

「クローム…怪我とか嫌だからね?」

彼女は一瞬目を丸くさせた後、いつもの様に優しく微笑み頷いた。
強い瞳におされ、俺は小さい歩幅で走りだした。

リボーン!!何処にいる?
校内にいることは確かだ。~ッもう何でこんな大変なことになっちゃったんだよー;

――――――――――

「おや?」

「どうしたの骸クン?」

丁度その頃、
獄寺、骸、白蘭の三人は並中の校門前に来ていた。すると骸が突然動きを止め、自分が気付いた気配をさらに確信のあるものにするために神経を研ぎ澄ます。

「やはり…綱吉くんは校内にいるようですね。
クロームの気配がします、しかも誰かと戦闘していますね。」

「戦闘って!!学校でか!?ってか何でクロームがここに?」

「じゃあ急ごうか、綱吉クンがあの姿じゃ敵が誰だろうと太刀打ちは出来ないだろうからね♪」

「あの姿??おめぇら…何か隠してっ…ぐぇ!!」

「しのごの言わず行きますよ。」

「レッツゴー♪」

二人は獄寺の首根っこをまたもや掴み、有無を言わせないスピードで引っ張り校内へ向かった。

俺、こんな役回りばっかかよぉぉーー!!

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