Babyな君


「ここにならいると思うんだけどな…」

綱吉とクロームは、並盛中の前まで来ていた。
この学校にはリボーンが張り巡らしたであろう通路がいっぱいある。
きっとどこかに…

いつも通っている学校だが、誰もいない日に来るここはいつもと雰囲気が違う気がする。

いつもとサイズが違うからかな…;

そんな事を思っていると超直感が何かを感じとった。
ビクッ「……ッ!!!?」
誰か見てた?;

急に視線を感じた綱吉は周りを見回すが人が近くにいる気配は感じられなかった。

もしかしたらリボーンがこの学校のどこかから…

「ボス??」
綱吉の様子に気が付き、声をかけてきたが心配をかけたくなかった綱吉は嫌な予感を振り払うように首を振った。

「行こう、クローム。」

淡い期待と不安を胸に校舎の中へと急ぐのだった。

―――――――――




その頃…眉間にシワを寄せ嫌そうな表情を浮かべる男二人。
何が嬉しくて休日の昼間にお前なんかと歩かなければならないのか!!お互いに心底思っていた。

「貴方が僕に一々いちゃもん付けてくるから、綱吉くんがどっか行っちゃったじゃないですか」

不満をぶつけた相手を横目で睨みつける骸。
「僕じゃなくて君がでしょ?全く、それに綱吉クンを連れ出したのは骸クンとこの子だろ?しっかり管理してよね」

白蘭も横目で睨み返した。二人の間に火花が散るが数秒空け、先に視線をずらしたのは骸だった。

「……まぁ、今は綱吉くんを探すのが先決です。」

「…そうだね。でも綱吉クンが行きそうなとこ見当つくの?」

「彼はアルコバレーノを探しているんです。つまりこの辺で居そうな場所…それは」

「それは?」

骸が考えを巡らせ、その答えを早くと聞き返す白蘭。二人は話しながら大通りに差し掛かると

「げっ!?;」

一般人に今は用はない…が、その人物の自分達に向けられた一言で二人は下げていた視線をその人物に向けた。

「「?……あ。」」
お互いに更にややこしい展開しか見えてこないと思った。

そこにいたのは自称十代目の右腕。獄寺隼人だった。

「何でお前等一緒にいんだよ。」

眉間の皺を更に深め睨みをきかせる。
相手が一般人ならビビって逃げ出したくなるところだが、残念なことに今目の前にしている二人はただの異常者でしかない。

「そんなの貴方に関係ないでしょ?」

「そうそう、僕達は逃げ出した子うさぎチャンを探してるんだ♪」

「うさぎ…?まぁいい、俺は十代目のとこに行くんだ。じゃあな」

獄寺は二人の横を通り過ぎようとしたが、意外にも白蘭が声をかけてきた。

「そっち綱吉クン家じゃないよ?」

「はぁ?知ってるにきまってんだろーが、俺は毎朝十代目の家にお迎えに行ってんだ。さっき留守だったから学校に行くんだよ」

「何故学校なのです?」

「山本の部活を見に行ったか、リボーンさん絡みで行くことも多いからな。後は雲雀に絡まれてなければいいんだけどな。そんな事より…十代目、俺は貴方の為にいつでも空いているというのに!!何故山本なんかにっ」

「ストーカーに自ら付いていく人はいませんからね」

「全くだね。」

「それより雲雀恭哉に何故、綱吉くんが絡まれる事があるのです!!ま、まさか…あーんなことやこーんなことを強いられてるんじゃ」

「そりゃ大変だ♪今すぐ並中に行こう!!」

「ぐぇ!!」

二人は項垂れる獄寺の首根っこを掴み、急いで並中へ向う。
獄寺は引きずられながら彼らの顔を見て怒鳴った。

「…て、てめぇら何しゃがんだ!楽しんでんじゃねー!!」

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