Babyな君
何でこんなところに来る羽目になったんだろう。本当なら今頃、美味しいケーキでも食べていたんだろうな…
でも目の前に並べられているものは、そんなおしゃれな食べ物ではない。カラフルな袋に入ったスナック菓子たち…と目の前に何故かお皿に盛られた麦チョコ。
結局あの後、話ながら歩き出した骸が向かった先は黒曜ランドだった。
「綱吉くん好きなだけ食べていいんですよ?」
「ねぇねぇ、マシマロないの?」
「貴方に与える物など、ここには一つもありませんよ」
「糖分(マシマロ)足りなくて死ぬー」
綱吉の頭上ではまた口論が始まった。
だがそれを遮るように小さな声が響いた。
「骸様、あのっ」
名前を呼ばれた彼は何事もなかったように声の方へ目を向ける、その間も白蘭はまだ言い足りないとギャーギャーと騒いでいる。
だがそれも彼女の一言で止むのだった。
「私も抱っこしたい。」
「「…………」」
クロームは完璧にフリーズした骸から綱吉を持ち上げた。
「可愛い」
すると後ろから犬と千種も現れた。
「赤ん坊らー」
「骸様…どこの子を誘拐してきたんですか」
「ちょ、何ですかその目は!!;誘拐じゃありませんよ、僕はただ綱吉くんのお手伝いを…ぁ」
マズイって言う目でこっち見てもねぇ?でもまだ何とか誤魔化せるよね!?
「ちょっと骸クン、その赤ん坊が綱吉クンだって言わない約束でしょ!」
はいアウト―!!もう誤魔化しできないし、何お前バカなの?死ぬの?
いや、今すぐ死ね!!
もう泣きたい
二人のバカな自白によりまたもやバレてしまった。
「ボス…なの?」
「ぅ、うん;朝起きたらこの姿になってて…多分リボーンが関係してると思うんだよね。で、いろいろ訳あってこの二人にリボーン探しを手伝ってもらう事になったんだけど……」
横目で彼らに目を向けると、また言い争いが起こっていた。
呆れて溜め息をつくと
「犬、千種、私出掛けてくる」
「はぁ?」
「?…どこいくの」
「ボスと一緒に探してくる、骸様と白い人よろしく」
そう言ってクロームは俺を抱き上げたまま外に向かった。
「ちょ;待てこらぁー!
骸様ならまだしも何れあんな奴までっ!?」
「…って言うか、あの二人うるさいからまとめて出てってほしい。」
残された犬と千種には、あの二人をどうすることも出来ないのだ。
10分後クロームが綱吉を連れて出ていった事にやっと気が付いた二人は、急いで後を追うことになる。