Babyな君
取りあえず、座ってもいられない。制服姿に白蘭の上着を羽織る形で重い腰を上げると、またまた要らん事に気がついてしまった。
「…ねぇ骸?」
「なんです?」
「何故ニーハイ!?;」
「男のロマンは絶対領域にありってね」
「知るか!!///」
羞恥で顔を真っ赤にしていると教室の扉がガラッと開けられる音がした。目を向けると並中の制服を着た坊主頭の男子学生が一人入ってきた
「おー山本いたいた。」
どうやら山本を探していたらしい。
「お前バットの筒だけ持ってどこ行っちまったかと思ったぜ。部室閉めるから荷物取りに来いってよ」
「あー、悪ぃ;忘れてた。」
どうやら彼は同じ部員で、荷物だけを残し一向に表れない山本を探しに来たのだ。
山本もあの時武器となるバットだけを片手に、急いで校舎へ来たため他の荷物は部室に置きっぱなしにしてしまっていた。
「ってか獄寺じゃん、他は?友達??」
そう言いながら近づいてくる同級生に綱吉はこんな格好見られたら、もう明日から学校なんかに行けないと思い青ざめる。そして後ろから山本の腕を掴み
「や、山本…なんか適当に誤魔化してっ!!(小声」
姿を隠すように山本の背に密着した。山本は綱吉の行動に目を一瞬丸くし、すぐにいつもの笑顔で話を続けた。
「ああ、こいつら?ダチっていうか…ライバルなのな」
挑戦的な黒い笑みを骸と白蘭に向けてやる。
(いい度胸ですね(だね)山本武!!)
三人の間に見えない火花が散っていた。
「ふーん、でこの子誰?」
男子生徒の意識はそっちの二人よりも綱吉にあったようだ、いつの間にか綱吉の横に来てじぃーっと見ていた。
「てめっ、あんま近づくんじゃ「まぁまぁ」―!?」
怒鳴り散らす獄寺を山本がなだめ、部員と綱吉の間に割って入った。
「山本、こんな可愛い子俺らの学年にいたっけ?名前は??」
山本の後ろに隠れる綱吉に声をかける。
「ぁの…えっと;」
どどどど、どうしよ~(滝汗)
困惑する綱吉の言葉に山本が割って言った
「だーめ、秘密。だってこいつは…」
「ぇっ!?」
綱吉は突然肩を掴まれ、頬に軽く何かが押し付けられたのを感じた。
―き、ききキス!?
そして山本は満足気な黒い笑顔で言い放つ。
「俺の彼女。」
(((…は!?)))
「ええええ!?マジ?紹介してよ」
「俺、独占欲強いから(黒笑)じゃあ部室戻ろうぜ」
山本は綱吉の耳に口を寄せ、また明日な。と呟いて男子生徒と教室を出て行った。
(えええええ!?や、山本突然何を…って、そっか俺が誤魔化してって言ったんだっけ。演技派だなー山本、やっぱ持つものは親友だよね!!ありがとう俺の為にあんな演技までしてくれて)
一人全くお門違いな感動にうちひしがれていた。