言葉にのせて

「はぁ…ひっく…うっ」

「ツナ…ツナ!!待てって!」

徐々につまった距離、体力の差だよね。

山本は手を伸ばし綱吉の腕を掴みそのまま壁に押し付けた。

「っ!!」

「ツ、ツナ;お前そんなに早かったっけ?はぁ、俺もさすがに疲れたんですけど?…で、何があったの。」

「うっ、うぇ…お、俺。」

「俺?」

「何で俺を誘ったの?好きな子…いるんでしょ!?山本がそんな…ことばかり言うから、モヤモヤしたりドキドキしたりっ//もぉ分かんないよ~;」

「ツナ…」

泣きじゃくる俺の上から優しい声がする。
もしかしたら呆れてるかも…意味わからないよね?俺にだってこんな気持ち理解できな…

「!!」

…な、なななななな何!?

突然唇に軟らかく温かいものが押し付けられた。

「………………。」

こ、ここここれって!
これってキ…ス‥

あまりにも突然すぎて、綱吉は大きな瞳をさらに見開き硬直状態になってしまった。

ぼーっとしてる間に唇にあった温もりは離れ、山本は苦笑いをしながら言った。

「…試合に誘ったのは露骨かなって思ったんだけどな?」

「え?」

「俺、好きな女なんかいないし」

「だってさっき…!!」
綱吉は強く腕の中に抱かれた。

「はぁー;俺の気持ちにも気付けって、言わなきゃ分からない?」

ぁ、山本の心臓…はやい////。

「わからない…よ?」

だから言って?

「…だよな。」

山本に抱きしめられているため表情は見えないが、山本がふっと笑った気がした。
そして言葉が放たれた。




「好きだ、ツナ。」


俺たちは、やっとお互いの気持ちに気付くことができた。だから俺も…
この気持ちを言葉にして君に伝えるよ。


「俺も…山本のこと、大好きだよ。」





――――――END
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