言葉にのせて
掃除をし帰りのHRが終わった。
あーやっと終わったよ、授業眠すぎ!!
伸びをしながらあくびをしていたら突然声をかけられた。
「ツーナ!!」
声かけだけならまだしも、肩にバシッと手を置かれ変な奇声が出た。
不意打ちと言うものだ。
「悪ぃなツナ;」
その奇声に驚いたのか、彼はすぐに謝ってきた。
「俺こそゴメン;!!どうしたの?山本」
「ぇ、まぁちょっとな?それよりさっき笹川と何話してたんだ?」
「え!?;き、京子ちゃんと?」
(ど~しよ!!何て言えば…。)
「えっと…ちょっと一緒に行く場所があって」
上手な言い訳も思い浮かぶはずがなく、もごもごしていると山本から耳を疑うような発言をされた。
「ツナ…笹川と付き合ってんの?」
「…………えぇ!?;」
(な、何でそうなったぁー!?そりゃ京子ちゃんが彼女だったら癒されるだろうなとか考えた事あるけど////ってか何を急に言い出すの!山本)
「付き合ってないよ!?;」
「そっか…悪ぃな変な事聞いて。ぁ、俺もう部活行くわ」
山本は、じゃあな。と言い片手を上げ教室を後にした。
山本を見送ってから、誰もいなくなった教室で安堵の息を吐いた。
「はぁ~;上手
く?ごまかせたけど、山本なんであんな事聞いたんだろ?
それより図書室に行かなきゃ。」
荷物をまとめて綱吉も教室を後にする。
この時のモヤモヤした気持ちが何なのか、まだ気が付くはずもなかった。
―――――――――
ガラッ
「京子ちゃんお待たせ」
「ぁ、ツナくん掃除お疲れさま。じゃあ早速行こう♪」
二人は校舎を出て野球の試合が始まっているだろうグラウンドに向かった
グラウンドに辿り着くと、観戦する生徒で賑わっていた。
「人が多いね。何でだろう?」
「皆、期待の新人を見に来たんだよ。」
「期待の…?」
京子ちゃんに聞き返すと同時に、女の子達の歓喜な声援が響きわたる。
〈キャー!!山本くんの番よ!〉
〈頑張ってー!!〉
〈カッコイイ~!!〉
「…ま、まさか期待の新人って山本の事!?」
「そうだよ♪」
「だから女の子が多いのかぁ;すごいなー山本は。」
「凄いよね。私、尊敬しちゃうなぁー♪そうだツナくん、せっかくだしもっと前に行って声かけて来よ?」
「そうだね」
二人は女の子達の間をやっと抜け出して前のフェンス越しに辿り着いた。山本はバットを軽く振りバッターボックスに立つ。どうやら、
これから打つようだ。
「山本くーん頑張れー!!」
これだけ賑わっているのだ。きっと自分達の声は聞こえないだろうと思いながらも、二人は真剣な面持ちで友達勝利を願っていた。
まずは一球目、鋭い球が山本目掛け放たれた。
山本もそれに応じてバットを振るが、少し間に合わず審判のストライクと言う判定に緊張感が増す。
ツナが心配する中、山本は打つ構えに入る。
二球目が相手から放たれた、これは一球目とは違い変化球のようだ。
またしてもストライク判定に、ツナは痺れを切らし大きな声で叫んだ。
「や、山本!!!!打って!」
願いにも似た叫びが、ガヤガヤとしたグラウンドの喧噪に紛れる。
(山本、気が付かないよね…あの時応援しに行くって言ってあげたかったな。)
この沢山の声援の中に、自分もいるんだと知ってほしかった。
ツナがジッと山本を見つめていると、不意に山本が視線をこちらにずらした。
目が合ったような気がした
山本はニカッといつも以上の笑顔をこちらに向けた後、向き直り今度は真剣な顔つきで打つ体勢を取った。
ツナの後ろの女の子達が、山本の笑顔に騒ぐ声も聞こえなくなるくらい心臓の音が高鳴る。
自惚れかもしれないが、あの笑顔が自分に向けられた物だと思ってしまったのだ。
凄く嬉しくてしょうがない気持ちになった。
三球目、ツナの願いに応えるように山本はバットを力強く振った。
そして、球は大きく場外に飛んで行った。
"ホームラン!!"
その判定に会場はさらに盛り上がった。
あーやっと終わったよ、授業眠すぎ!!
伸びをしながらあくびをしていたら突然声をかけられた。
「ツーナ!!」
声かけだけならまだしも、肩にバシッと手を置かれ変な奇声が出た。
不意打ちと言うものだ。
「悪ぃなツナ;」
その奇声に驚いたのか、彼はすぐに謝ってきた。
「俺こそゴメン;!!どうしたの?山本」
「ぇ、まぁちょっとな?それよりさっき笹川と何話してたんだ?」
「え!?;き、京子ちゃんと?」
(ど~しよ!!何て言えば…。)
「えっと…ちょっと一緒に行く場所があって」
上手な言い訳も思い浮かぶはずがなく、もごもごしていると山本から耳を疑うような発言をされた。
「ツナ…笹川と付き合ってんの?」
「…………えぇ!?;」
(な、何でそうなったぁー!?そりゃ京子ちゃんが彼女だったら癒されるだろうなとか考えた事あるけど////ってか何を急に言い出すの!山本)
「付き合ってないよ!?;」
「そっか…悪ぃな変な事聞いて。ぁ、俺もう部活行くわ」
山本は、じゃあな。と言い片手を上げ教室を後にした。
山本を見送ってから、誰もいなくなった教室で安堵の息を吐いた。
「はぁ~;上手
く?ごまかせたけど、山本なんであんな事聞いたんだろ?
それより図書室に行かなきゃ。」
荷物をまとめて綱吉も教室を後にする。
この時のモヤモヤした気持ちが何なのか、まだ気が付くはずもなかった。
―――――――――
ガラッ
「京子ちゃんお待たせ」
「ぁ、ツナくん掃除お疲れさま。じゃあ早速行こう♪」
二人は校舎を出て野球の試合が始まっているだろうグラウンドに向かった
グラウンドに辿り着くと、観戦する生徒で賑わっていた。
「人が多いね。何でだろう?」
「皆、期待の新人を見に来たんだよ。」
「期待の…?」
京子ちゃんに聞き返すと同時に、女の子達の歓喜な声援が響きわたる。
〈キャー!!山本くんの番よ!〉
〈頑張ってー!!〉
〈カッコイイ~!!〉
「…ま、まさか期待の新人って山本の事!?」
「そうだよ♪」
「だから女の子が多いのかぁ;すごいなー山本は。」
「凄いよね。私、尊敬しちゃうなぁー♪そうだツナくん、せっかくだしもっと前に行って声かけて来よ?」
「そうだね」
二人は女の子達の間をやっと抜け出して前のフェンス越しに辿り着いた。山本はバットを軽く振りバッターボックスに立つ。どうやら、
これから打つようだ。
「山本くーん頑張れー!!」
これだけ賑わっているのだ。きっと自分達の声は聞こえないだろうと思いながらも、二人は真剣な面持ちで友達勝利を願っていた。
まずは一球目、鋭い球が山本目掛け放たれた。
山本もそれに応じてバットを振るが、少し間に合わず審判のストライクと言う判定に緊張感が増す。
ツナが心配する中、山本は打つ構えに入る。
二球目が相手から放たれた、これは一球目とは違い変化球のようだ。
またしてもストライク判定に、ツナは痺れを切らし大きな声で叫んだ。
「や、山本!!!!打って!」
願いにも似た叫びが、ガヤガヤとしたグラウンドの喧噪に紛れる。
(山本、気が付かないよね…あの時応援しに行くって言ってあげたかったな。)
この沢山の声援の中に、自分もいるんだと知ってほしかった。
ツナがジッと山本を見つめていると、不意に山本が視線をこちらにずらした。
目が合ったような気がした
山本はニカッといつも以上の笑顔をこちらに向けた後、向き直り今度は真剣な顔つきで打つ体勢を取った。
ツナの後ろの女の子達が、山本の笑顔に騒ぐ声も聞こえなくなるくらい心臓の音が高鳴る。
自惚れかもしれないが、あの笑顔が自分に向けられた物だと思ってしまったのだ。
凄く嬉しくてしょうがない気持ちになった。
三球目、ツナの願いに応えるように山本はバットを力強く振った。
そして、球は大きく場外に飛んで行った。
"ホームラン!!"
その判定に会場はさらに盛り上がった。