言葉にのせて
「遅刻するぅ!!母さん起こしてくれなかったの!?」
綱吉は急いで制服に袖を通しながら階段をガタガタと降りてきた。
「あらあらツっくん、5回起こしに行ったのよ。あと5分って言うから」
台所では母が忙しなく動きながらも、口調はどちらかと言えばゆっくりだ。スローなお説教を聞いていたら完全に遅刻である、綱吉はテーブルの上に用意されていたトーストをくわえ込んだ
「だぁー;分かった分かった!!時間無いから、俺もう行くね!!」
「はいはい、気を付けて行ってらっしゃい。」
まるで少女漫画のワンシーンのようにパンをくわえ学校へ走り出した。
―――――――
ガラッ!!
「ま、間に合った!?」
「遅刻だ。」
「そ、そんなぁー;」
階段をひたすら駆け上がり、息を切らし勢いよく扉を開けたが、どうやらアウトだったらしい。
出席をとっている途中だったのか、担任の教師は出席簿を片手に俺の頭を小突いた。
「お前なぁーまだ入学して数ヶ月くらいしか経ってないってのに遅刻ばかりしてくれるなよな;」
「は、はい。すみませ…」
ガラッ!!
「「?」」
「ま…間に合った!?」
「「アウトでしょ!!」」
謝罪の言葉を言
い終える前に綱吉が立っていた後ろの扉が、またもや強く開かれた。そこに居た二人は扉を開けた人物を見やり、彼の発言に思わずツッコミを入れてしまう始末だ。
「山本ぉ~、お前も頼むよ;俺担任になるの初めてって知ってるだろ。」
「わりぃわりぃ先生」
平謝りをするのは、昨日仲良くなったばかりの山本だ。
先生は俺たち二人を見て大きな溜め息を吐いた。
俺たちクラスの先生は新米教師で、しかも担任を任されてしまった様だ。
だが生徒からはとても親しまれている、彼の笑顔や優しさに自然と人が集まるようだ。
「はぁ、二人共次から気を付けるように。1限目が始まるから席に着け」
席に戻るときに山本と目が合いお互いに苦笑いをした。
―――――――――
長い授業も後、数分で終わりを迎えようとしていた。窓の外をぼーっと眺めていると、隣から小さな声で呼ばれた。
振り返るとショートカットの淡く明るいブラウンの髪に、パッチリとした瞳が可愛らしい京子ちゃんだった。
授業中なので口の横に手を当てコソコソ話の様に話した。
「ツナくん、今日ね野球部の練習試合があるんだって。山本くんも出るらしいから、放課後一緒に見に行かない?」
「え、行く行く!!山本1年なのに選ばれるなんて凄いね。」
「そうだよね。じゃあ掃除終わったら行こう♪
私、図書室の掃除なの。ツナくん教室だよね?」
「じゃあ俺、掃除終わったら図書室行くから待ってて。」
「うん、ありがとう。
ぁ、山本くんには秘密ね?大丈夫だと思うけど、変に緊張させちゃうと嫌だから。」
「そっか、分かった。(京子ちゃん優しいなー)」
京子ちゃんの優しさに感動をしていると、不意に視線を感じた。
京子ちゃんから視線をずらすと、少し離れた後方に座る山本と目が合った。むこうも気が付いたのだろう、いつもの笑顔を向けてきた。
俺もへらっと笑ったが、内心は今の会話が聞こえたのでは?と冷やっとした。
でも、この距離だし…まさかね??
さっきの視線に違和感を覚えたまま、授業は終わりを迎え時間は約束の放課後に迫っていた。
綱吉は急いで制服に袖を通しながら階段をガタガタと降りてきた。
「あらあらツっくん、5回起こしに行ったのよ。あと5分って言うから」
台所では母が忙しなく動きながらも、口調はどちらかと言えばゆっくりだ。スローなお説教を聞いていたら完全に遅刻である、綱吉はテーブルの上に用意されていたトーストをくわえ込んだ
「だぁー;分かった分かった!!時間無いから、俺もう行くね!!」
「はいはい、気を付けて行ってらっしゃい。」
まるで少女漫画のワンシーンのようにパンをくわえ学校へ走り出した。
―――――――
ガラッ!!
「ま、間に合った!?」
「遅刻だ。」
「そ、そんなぁー;」
階段をひたすら駆け上がり、息を切らし勢いよく扉を開けたが、どうやらアウトだったらしい。
出席をとっている途中だったのか、担任の教師は出席簿を片手に俺の頭を小突いた。
「お前なぁーまだ入学して数ヶ月くらいしか経ってないってのに遅刻ばかりしてくれるなよな;」
「は、はい。すみませ…」
ガラッ!!
「「?」」
「ま…間に合った!?」
「「アウトでしょ!!」」
謝罪の言葉を言
い終える前に綱吉が立っていた後ろの扉が、またもや強く開かれた。そこに居た二人は扉を開けた人物を見やり、彼の発言に思わずツッコミを入れてしまう始末だ。
「山本ぉ~、お前も頼むよ;俺担任になるの初めてって知ってるだろ。」
「わりぃわりぃ先生」
平謝りをするのは、昨日仲良くなったばかりの山本だ。
先生は俺たち二人を見て大きな溜め息を吐いた。
俺たちクラスの先生は新米教師で、しかも担任を任されてしまった様だ。
だが生徒からはとても親しまれている、彼の笑顔や優しさに自然と人が集まるようだ。
「はぁ、二人共次から気を付けるように。1限目が始まるから席に着け」
席に戻るときに山本と目が合いお互いに苦笑いをした。
―――――――――
長い授業も後、数分で終わりを迎えようとしていた。窓の外をぼーっと眺めていると、隣から小さな声で呼ばれた。
振り返るとショートカットの淡く明るいブラウンの髪に、パッチリとした瞳が可愛らしい京子ちゃんだった。
授業中なので口の横に手を当てコソコソ話の様に話した。
「ツナくん、今日ね野球部の練習試合があるんだって。山本くんも出るらしいから、放課後一緒に見に行かない?」
「え、行く行く!!山本1年なのに選ばれるなんて凄いね。」
「そうだよね。じゃあ掃除終わったら行こう♪
私、図書室の掃除なの。ツナくん教室だよね?」
「じゃあ俺、掃除終わったら図書室行くから待ってて。」
「うん、ありがとう。
ぁ、山本くんには秘密ね?大丈夫だと思うけど、変に緊張させちゃうと嫌だから。」
「そっか、分かった。(京子ちゃん優しいなー)」
京子ちゃんの優しさに感動をしていると、不意に視線を感じた。
京子ちゃんから視線をずらすと、少し離れた後方に座る山本と目が合った。むこうも気が付いたのだろう、いつもの笑顔を向けてきた。
俺もへらっと笑ったが、内心は今の会話が聞こえたのでは?と冷やっとした。
でも、この距離だし…まさかね??
さっきの視線に違和感を覚えたまま、授業は終わりを迎え時間は約束の放課後に迫っていた。