花一輪災の元

ツ「ん~…ヒック…;よく考えたら俺しゃっくりって何時ぶりだっけな?」

危機感の無い綱吉は、呑気にそんな事を考えていた。

ガチャッ

「入るよ綱吉」
「こんにちは、綱吉君」

そこに現れた2人に綱吉は驚いた顔をした。
何でかって?
だって顔を会わせたらすぐに喧嘩にもちこむ、あの2人組だよ!?そりゃあビックリもしますよ。

そう、そこには雲の守護者である雲雀と霧の守護者の骸が一緒に来たのだ。
ツ「どうしたの?骸に雲雀さ…ヒック」

骸雲「「………。」」

ツ「…;」

沈黙の空気の中、この二人にさっきの事を説明するのは危険だと感じた綱吉は、しゃっくりを聞いて自分をガン見している2人を無視する事にした。

コンコン

どうやら、今日に限って訪問者が多いらしい
が、今の綱吉は大歓迎とばかりに入室許可を出した。
なんせ、こんな空気ですから…。

バンッ!!

「つつつ綱吉くん、大丈夫かい!?」

扉が開くと同時に飛び込んで来た人物は
入江正一だった。

正「ぁあ、綱吉くん!!
よかった何もないみたいだね」

ずれた眼鏡とボサボサの髪を直す。

ツ「ど…どうしたの;」
 
自分を見るなり安堵の息を吐く入江を、いったい何事か!?と様子を伺っていると

「それはウチが説明するよ。」

ツ「ぁ、」

そこにはよく見知った顔があった。
キャンディーをくわえながら突然現れたスパナ…いや、突然現れたと言うより入江の派手な登場に後ろに居たであろう彼に気付く事が出来なかったのだ。

ツ「どういう事?」

全く状況が分からない綱吉は続きを促す。

ス「うん。正一曰く朝、白蘭の様子がおかしい…と言うか、怪しかったらしいんだ。」

ツ「白蘭の?ヒック」

正「そうなんだよ!!今朝、昨日押し付けられた書類を渡しに持って行ったんだけどドアが少し空いてて…。その、ちょと覗いてみたんだ…;
そしたら白蘭さん花を見つめながら『これで僕の物になる』って言いながら微笑んでたんだ!!その後怖すぎて逃げたよ;」

ツ「白蘭が花を…?」

嫌な予感しかしない綱吉は背中に冷たい物が通るのを感じた。

正「そうなんだ。ぁ、これがその花の写真なんだけど…」

それを目の当たりにした綱吉は、予感的中!!と顔を蒼白させるのだった。

ツ「やっぱり…ヒック」

そのまさか、正一が見せてくれた写真には、このしゃっくりの原因になった白い花が写っていたのだ。ガックリと肩を落とし項垂れていると、後ろから不機嫌な声が響いた

雲「ねぇ、話が見えないよ。その花がなんだって言うのさ。」

骸「そうですよ綱吉君。僕達にも解るようにお願いします。内容によっては、その糖尿病予備軍を廻らせてやらねばなりませんからね。」

チャキッ

(って2人とも、何で武器取り出してるのー!!;)

顔を引きつらせながら、この事態を治めるために仕方なく話を始める綱吉なのだった。


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