花一輪災の元

「ヒック…」

「「…?」」

静寂な会議室の中、何とも気が抜ける声だけが響いた。

今ボンゴレは大麻や密輸入などをしているであろうファミリーと綱吉のもと、話し合いをしているところだ。
ボンゴレからは自称『右腕』である嵐の守護者獄寺隼人と雨の守護者山本武が綱吉と同行しその場にいたのだか、
なかなか相手ファミリーが自分達の犯行を認めようとはしなく、これ以上の進展もなさそうだと判断した綱吉は話し合いを強制終了してその場を離れようとした。

だがそれは、相手ファミリーが言った一言で叶わなくなったのだ。

「やっと、効いてきたようですなぁ~…ボンゴレ十代目」

ツ「!?…ヒック」

獄「十代目!?」

山「ツナ、体に異常はあるか?」

ツ「え、しゃっくりが出るだけでどこも…。それに、こんなの時間が経てば止まるよ」

「それはどうですかな?我々が手に入れたそれは、話しではかかった相手をじわじわ苦しめてゆくそうですよ。」

獄「てぇめら…果たす」

山「ツナいいよな」

ツ「はぁ~、ダメって言っても意味ないし
殺さない程度に…ね。」

綱吉は、そんな忠告をしないと殺ってしまいそうな二人を部屋に残し、相手を哀れに思いながら
その場を後にしたのであった。

コツコツ……

ツ「ヒック…これ本当に止まらなかったらどうしよう;ヒック、何とかなるよね?」

「それは、どうだろうな」

自分の部屋の前に立って独り言を呟いたが、
それは突然現れた人物の返事によって独り言ではなくなった。

ツ「うひゃあ!!!リ…リボーン!!突然ヒック、出てくるなよな」

そこには、十年前は赤ん坊だった家庭教師がいたのだ。今では呪いにかかる前の姿だが、帽子とスーツという姿は変わっていない。

リ「さっき俺も獄寺達の所に行って、奴らに話しを聞いたんだがな…止め方を知らないそうだぞ。」

ツ「えぇー!!ってか原因はヒック、何だったんだよ」

リ「ぁあ、それはな今お前が胸ポケットに入れてる花だそうだ。」

ツ「…はぁぁ!?先に言えよ!(ポイッ)
そう言えばヒック、奴らのボスが話し合いの前にスキンシップだとかでやけに触ってきたな。その時にポッケに入れられたの忘れてた。ヒック」

リ「ほぉ…、どこ触られたんだ。(ボスを後で殺っとくか)」

ツ「え?…ん~と、肩と腰周りにかな?」

リ「殺す(ボソッ)」
完璧に殺そうと決意したリボーンだった。

ツ「ヒック、何か言った?」

リ「何でもないぞ」

ツ「まぁいいや、ヒック疲れたから俺部屋に戻るよ」

リ「ああ、何か変わったことがあったら言えよ」
パタンッ

リボーンは綱吉が部屋に入るのを見送った後、
投げられた花を拾いその場を離れた。


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