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アイツがいなくなったんだ

フォックスがだいぶ喋れるようになってきて、2ヶ月。まだまだ、入院が必要らしい。

「ファルコ……これ、何……?」
「?……んぁ、ラジカセか?…カセットみたいなの入ってるから違うか…ちょっと聞いてみるからな」

イヤホンを挿して、聞いてみると耳を塞ぎたくなるような話が流れ込んできた。



『スターフォックスのリーダーがそこら辺のヤクザに捕まるって恥ずかしくねーの?‪w‪w』
『やめてくれ…』
『は?やめるわけねーじゃんかよ‪w‪w』
『ほら腕出せや!!』
『な、何するんだ!?』
『だいじょーぶ!ただの気持ちよくなっちゃうお薬だからさ』
『頼む……やめてくれ…!!嫌だ……嫌だ…!!』
『……はい、打ちましたよ!!』
『あぁ…あ、…嫌、だ…あぁ…やめ、て…くれ…』




「………………」
「それ、何?」

知りたくなかった。でも、知れて良かった。フォックスの肘の内側が黒ずんでいる理由を。
だけど、知って欲しくない。俺はフォックスを抱きしめて囁く。

「知らなくて良いぜ……知らなくて良い…」
「……?」

フォックスは俺を抱き締め返して、こう言った

「ファルコ……大好きだよ!!」
「………俺も……!!」

声が震えてしまった。きっとコイツは、沢山怖い、辛い経験をしてきたのだろう。守ってやれなくて、ごめんな……
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