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アイツがいなくなったんだ

「お待ちしておりました。スターフォックス御一行様。この方が『フォックス・マクラウド』様でお間違えないでしょうか?」


俺は言葉が出なかった。姿が変わり果ててるとは聞いていたが……ボロボロだった。文字通り、ボロボロ。皮は剥けて、身体は痩せこけていたし、肘の内側は真っ黒だった。さらに白いシャツのようなものはビリビリに破けて原型を留めていなくて、目は落ちくぼんでいて光が入っていなかった。

そんな見るに堪えない状態でも、俺はコイツがフォックスって一目でわかった。何故かは自分でもよくわからない。でも、コイツは…絶対にフォックスだ。

「ふ、フォックス……?」
「……あ、う?」
「フォックス……俺がわかるか…?」
「あ…あぁ……?」

その後の事はあまり覚えてない。スリッピーが言うには俺はこの後泣き崩れてぶっ倒れたらしい。

気がついたらグレートフォックス艦内に居た。

少し横に視線をズラすと、(着替えを済ませた)フォックスが物珍しそうな目をして恐る恐る、俺に触れてきた。

「あ、あ……!!」
「…楽しいのか?」
「………………?」
「わからねぇか…」

「ファルコ!!もう大丈夫なの?」
「クリスタル?あぁ、俺は大丈夫なんだけどよ…フォックスは…」
「それなんだけど……今から総合病院に行くんだけど…ファルコは…」
「ついてくに決まってんだろ」

移動する最中、ずっと俺の頬を触ってくるフォックス。やっぱり、お前は可愛いよ。
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