つわものもとめて三千里
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「なぁ、杉元とアシリパさんや。あんたらのアテはあるのか?このまま闇雲に探して見つかるもんでもないんだろ?」
黙々とリス用の罠を仕掛けている時だった。
「んー、そうだな。俺は小樽に向かうのがいいとおもうぜ。囚人だって獣じゃあるまいし山にこもったままじゃ生きていけないだろ。それに、熊に食われたおっさんも砂金が少し取れては下りて酒を飲みに行ってたぜ」「く、くま…?ふ、フゥン……」
うんうん、と二人が頷くなか刀次は声を絞り出すことに精一杯だった。
「どうした?刀次は熊が怖いのか?」「こ、こわかないわ!俺は熊より強いんだっつーの!!!」「よくいうぜ」「マジだって!」
アシリパと杉元が刀次を小突いてからかった。刀次は、恥ずかしくなり鮭も見惚れる真っ赤な顔で地団駄を踏んで反抗した。
「それで、刀次は小樽に行くことに賛成なのか?」「あ、ああ。もちろんだ。もともとアテもなかったしなぁ」「そうと決まればだな!」
こうして3人と一羽は満場一致で小樽に向かうことになった。
小樽に向かうというのは、囚人には大勢の中に紛れて過ごしたいと思う心理が働くはずだとの杉元の案だった。
「あ、ヒグマ」「ぅひぐまぁぁあぁ!?」「うっせぇ」
刀次をからかって遊ぶ杉元。
賑やかなものだとサスケは嬉しいため息をついた。
「これが小樽か…でっかいな…」
小樽に着くや否や田舎出身の刀次は呟いた。
「それにしても杉元、こんな大勢の中からどうやって囚人を探し出すんだ?」「んー、そうだな…」
数秒の間の後、これだ!と聞こえて来そうな顔でこちらを振り返った。
きっとすごい案だと期待の眼差し。
「聞き込みだな」「っえぇ~…」
あまりにも簡単すぎる答えに一瞬落胆するも、たしかにそれしか方法はないと渋々納得した。
「そうだな…俺は銭湯にでもいくか」「私は街で聞き込みをして回るぞ」「ピャ!」「おー、サスケはアシリパさんについていきたいのな。んじゃ、俺も銭湯に行こうかなぁ」
意外とあっさりと行き先は決まった。
そしてすぐに二手に分かれて、聞き込み調査が始まった。
「杉元の杉元…」「おい」
二人は男と男の熱い語り合い()をしながら銭湯に向かっていった。
バンダイのおばさんに代金を払って脱衣所へ向かった。
男二人特に話す事もなく黙々と服を脱いだ。
ふと杉元の身体の方へ目をやると、刀次は思わず目を見張った。
「杉元の身体……」「ジロジロ見てんじゃねぇよ助平」「ちげーよ!」
そそくさと浴場に二人は入る。
ここまでの疲れと汚れを流し、身を清めた。
それから、ゆっくりと湯船に浸かった。
「フゥーッ、あったまるなぁ。おっさん」「そうだなぁ、にいちゃん」「おっちゃんここの常連か?」「あぁ、そうだよ。この時期は毎日入りにくるねぇ…」
まずは先客に挨拶し、すぐさま本題に移る。
「ところでおっちゃん、変な入れ墨の奴らみたことない?ヤクザみたいな和彫りのとは違う、直線とかが組み合わさったような…」「しらんなぁ…」
杉元がちゃかちゃかと手を動かして図案を空に描くが、先客は心当たりがないようだった。
「ふーん、噂とかも聞いてない?」「んー…ないねぇ」「そうか」
先客が知らないとわかると、さっさと切り上げようと杉元が湯船から上がった。杉元の身体に刻まれた多くの傷は、刀次にとって気絶しそうなほど魅力的なものだ。
「にいちゃん兵隊さんかい?すごい身体だねぇ…よく生きてられたもんだ…。奇妙な入れ墨はみたことないが、にいちゃんのような身体の人も見たことないねぇ。ごくろうさん…」「(たしかに、素晴らしい身体だ…あれだけの傷を負っても死なないほどの強者なんだっ…)」
先客がごくろうさん、と手を合わせて言うと杉元は一言
「儲かるのは商人だけだろ」と残して浴場から出ていってしまった。
ポカンとする先客。
「おっさん、ありがとな~俺も上がりますわぁ」
刀次も杉元を追うように湯船をあがり、先客に礼を言ってその場を去った。
「大した情報はなかったなぁ」「そうだな」
思ったような成果はあげられなかったので、早い所アシリパと合流しようと足場に銭湯を後にした。
一方アシリパは、売春宿付近で聞き込みをしていた。
「なあに、お嬢ちゃん」「こんな感じの入れ墨をしたやつを相手にしたことはないか?」「ピョウ?」
図面を模写したものを広げて聞き回っていた。
「そんな変なモンモンを入れたのはみたことがないねぇ」
そうか、と次の人に移ろうとしたその時
「こらぁ!!」大きな怒号がアシリパにとんだ。
「なんだ」「ピギャギャ!」
振り返った先には、恐ろしい顔をした巨漢が立ちはだかっていた。
巨漢がアシリパをつまみ上げようと手を伸ばすが、サスケがそうはさせなかった。
「ギャギャ!!」「なんだぁ?うるせぇな、鳥公の分際で…イデェ!!」
アシリパさんに向かって伸びた手に激しく咬みつき、肉を食いちぎった。その隙を見て、アシリパが身軽な身のこなしで巨漢の片目を突いた。
「このガキども…!!」
見た目通りの体力で、まだ余裕そうに立ち上がり怒りに顔をゆがめる。が、その背後に颯爽と二人の男の影が現れた。
「俺の親指を見ろ」「ああ?なんだお前」
そう言って杉元が巨漢の肩に手を置くと、巨漢は振り返った。
その隙をつき、目にも留まらぬ速さで杉元の親指が巨漢の喉に直撃する。「カハッ」
崩れ落ちる大きな身体を刀次が締め上げ、あっという間に巨漢は静かになった。
「まるでおっきな赤子みたいだ」「苦しいかもしれんが質問に答えろ」
苦しそうにする巨漢で遊ぶ刀次を尻目に杉元は男に質問する。
「こんな感じの入れ墨を入れたやつを見たことはないか?」
の質問と同時にアシリパが男の前に模写した紙を広げた。
男は苦しそうにひゅうひゅう言わせながら、絞り出すように
「まえにも…同じことを聞いてきた男が…いた…」
とだけ答えた。それを聞いた杉元はニヤリと口角を上げ
「考えることは同じか」と呟いた。
刀次がパッと手を離すと、男はその場にドシャリと倒れ込んだ。
「これ、いいの?」「ほっとけば楽になるだろうよ」「どっちの意味だよ」
一応きにしてはいたが、あっさりと男はその場に放置してきた。
「にしても、アシリパさん強いのね~軽ーい身のこなしあこがれるねぇ」「北海道の自然は厳しいからな。それに、サスケも助けてくれた」「ピョイ!」「よーし、よし、よくやった偉いぞ~」
一行は怪我もなく聞き込みを終え、今日の聞き込みを切り上げた。
黙々とリス用の罠を仕掛けている時だった。
「んー、そうだな。俺は小樽に向かうのがいいとおもうぜ。囚人だって獣じゃあるまいし山にこもったままじゃ生きていけないだろ。それに、熊に食われたおっさんも砂金が少し取れては下りて酒を飲みに行ってたぜ」「く、くま…?ふ、フゥン……」
うんうん、と二人が頷くなか刀次は声を絞り出すことに精一杯だった。
「どうした?刀次は熊が怖いのか?」「こ、こわかないわ!俺は熊より強いんだっつーの!!!」「よくいうぜ」「マジだって!」
アシリパと杉元が刀次を小突いてからかった。刀次は、恥ずかしくなり鮭も見惚れる真っ赤な顔で地団駄を踏んで反抗した。
「それで、刀次は小樽に行くことに賛成なのか?」「あ、ああ。もちろんだ。もともとアテもなかったしなぁ」「そうと決まればだな!」
こうして3人と一羽は満場一致で小樽に向かうことになった。
小樽に向かうというのは、囚人には大勢の中に紛れて過ごしたいと思う心理が働くはずだとの杉元の案だった。
「あ、ヒグマ」「ぅひぐまぁぁあぁ!?」「うっせぇ」
刀次をからかって遊ぶ杉元。
賑やかなものだとサスケは嬉しいため息をついた。
「これが小樽か…でっかいな…」
小樽に着くや否や田舎出身の刀次は呟いた。
「それにしても杉元、こんな大勢の中からどうやって囚人を探し出すんだ?」「んー、そうだな…」
数秒の間の後、これだ!と聞こえて来そうな顔でこちらを振り返った。
きっとすごい案だと期待の眼差し。
「聞き込みだな」「っえぇ~…」
あまりにも簡単すぎる答えに一瞬落胆するも、たしかにそれしか方法はないと渋々納得した。
「そうだな…俺は銭湯にでもいくか」「私は街で聞き込みをして回るぞ」「ピャ!」「おー、サスケはアシリパさんについていきたいのな。んじゃ、俺も銭湯に行こうかなぁ」
意外とあっさりと行き先は決まった。
そしてすぐに二手に分かれて、聞き込み調査が始まった。
「杉元の杉元…」「おい」
二人は男と男の熱い語り合い()をしながら銭湯に向かっていった。
バンダイのおばさんに代金を払って脱衣所へ向かった。
男二人特に話す事もなく黙々と服を脱いだ。
ふと杉元の身体の方へ目をやると、刀次は思わず目を見張った。
「杉元の身体……」「ジロジロ見てんじゃねぇよ助平」「ちげーよ!」
そそくさと浴場に二人は入る。
ここまでの疲れと汚れを流し、身を清めた。
それから、ゆっくりと湯船に浸かった。
「フゥーッ、あったまるなぁ。おっさん」「そうだなぁ、にいちゃん」「おっちゃんここの常連か?」「あぁ、そうだよ。この時期は毎日入りにくるねぇ…」
まずは先客に挨拶し、すぐさま本題に移る。
「ところでおっちゃん、変な入れ墨の奴らみたことない?ヤクザみたいな和彫りのとは違う、直線とかが組み合わさったような…」「しらんなぁ…」
杉元がちゃかちゃかと手を動かして図案を空に描くが、先客は心当たりがないようだった。
「ふーん、噂とかも聞いてない?」「んー…ないねぇ」「そうか」
先客が知らないとわかると、さっさと切り上げようと杉元が湯船から上がった。杉元の身体に刻まれた多くの傷は、刀次にとって気絶しそうなほど魅力的なものだ。
「にいちゃん兵隊さんかい?すごい身体だねぇ…よく生きてられたもんだ…。奇妙な入れ墨はみたことないが、にいちゃんのような身体の人も見たことないねぇ。ごくろうさん…」「(たしかに、素晴らしい身体だ…あれだけの傷を負っても死なないほどの強者なんだっ…)」
先客がごくろうさん、と手を合わせて言うと杉元は一言
「儲かるのは商人だけだろ」と残して浴場から出ていってしまった。
ポカンとする先客。
「おっさん、ありがとな~俺も上がりますわぁ」
刀次も杉元を追うように湯船をあがり、先客に礼を言ってその場を去った。
「大した情報はなかったなぁ」「そうだな」
思ったような成果はあげられなかったので、早い所アシリパと合流しようと足場に銭湯を後にした。
一方アシリパは、売春宿付近で聞き込みをしていた。
「なあに、お嬢ちゃん」「こんな感じの入れ墨をしたやつを相手にしたことはないか?」「ピョウ?」
図面を模写したものを広げて聞き回っていた。
「そんな変なモンモンを入れたのはみたことがないねぇ」
そうか、と次の人に移ろうとしたその時
「こらぁ!!」大きな怒号がアシリパにとんだ。
「なんだ」「ピギャギャ!」
振り返った先には、恐ろしい顔をした巨漢が立ちはだかっていた。
巨漢がアシリパをつまみ上げようと手を伸ばすが、サスケがそうはさせなかった。
「ギャギャ!!」「なんだぁ?うるせぇな、鳥公の分際で…イデェ!!」
アシリパさんに向かって伸びた手に激しく咬みつき、肉を食いちぎった。その隙を見て、アシリパが身軽な身のこなしで巨漢の片目を突いた。
「このガキども…!!」
見た目通りの体力で、まだ余裕そうに立ち上がり怒りに顔をゆがめる。が、その背後に颯爽と二人の男の影が現れた。
「俺の親指を見ろ」「ああ?なんだお前」
そう言って杉元が巨漢の肩に手を置くと、巨漢は振り返った。
その隙をつき、目にも留まらぬ速さで杉元の親指が巨漢の喉に直撃する。「カハッ」
崩れ落ちる大きな身体を刀次が締め上げ、あっという間に巨漢は静かになった。
「まるでおっきな赤子みたいだ」「苦しいかもしれんが質問に答えろ」
苦しそうにする巨漢で遊ぶ刀次を尻目に杉元は男に質問する。
「こんな感じの入れ墨を入れたやつを見たことはないか?」
の質問と同時にアシリパが男の前に模写した紙を広げた。
男は苦しそうにひゅうひゅう言わせながら、絞り出すように
「まえにも…同じことを聞いてきた男が…いた…」
とだけ答えた。それを聞いた杉元はニヤリと口角を上げ
「考えることは同じか」と呟いた。
刀次がパッと手を離すと、男はその場にドシャリと倒れ込んだ。
「これ、いいの?」「ほっとけば楽になるだろうよ」「どっちの意味だよ」
一応きにしてはいたが、あっさりと男はその場に放置してきた。
「にしても、アシリパさん強いのね~軽ーい身のこなしあこがれるねぇ」「北海道の自然は厳しいからな。それに、サスケも助けてくれた」「ピョイ!」「よーし、よし、よくやった偉いぞ~」
一行は怪我もなく聞き込みを終え、今日の聞き込みを切り上げた。