APEXヒュブラ
ブラッドハウンドがまだ叔父と暮らしていた頃、彼らの故郷は近代テクノロジーを拒否した生活を送っていたと聞いたのはいつだったか。叔父と死別した後は小規模ながら外界とのコミュニケーションを取り、テクノロジーを学んで集落に取り入れて行った。その中で出会ったのがブーンという男。
狩りに出掛けた翌日、ブラハはパチパチと爆ぜる焚き火を眺めながらぽつりぽつりと過去を話していた。
「ブーンは私に様々な事を教えてくれた。このアビリティも、彼に教わった事だ。これは狩りの成果を更に向上させた…。」
ブラハは夜空を見上げて、ほぅと息を吐いた。ゴーグルに隠れて見えないが、昔を懐かしむ様に目を細めているのが分かる。
「彼は人との交流についても教えてくれた。コミュニケーションは言葉だけではなく、身振りや握手等の体を使った動作も含まれる、と。」
ブラハはゆっくりとマスクを外して俺の顔をじっと眺めた。
「例えば、今目の前に居る人物を『愛しい』と感じた時、相手の同意を得てから口付けができる。」
ブラハはそう言って柔らかな笑みを浮かべた。「ははっ、今の話の流れだと、俺とキスしてぇって事になるぞ?」
「ふふ、構わない。」
ブラハはまたふわっと笑った。まだ夜が明ける前で眠いのか、普段見られない表情を見る事が出来てこっちも幸せだ。お望み通り、ブラハの薄い唇に自分のを重ねる。わざとチュッと音を立てて離れると、ブラハはうっとりと口角を上げて微笑んだ。
可愛い。
しかし、なんだかブーンの話に乗せられた気分だ。何となくヤキモチを焼いた俺は、ブラハに聞いてみた。
「なあ、もう1回キスしてもいいか?」
「なんだ、足りなかったのか?」
ブラハはくすくす笑う。俺はブラハの両頬に慎重に手を添えると、敢えてゆっくり顔を近づけた。
唇が触れ合う。彼らは受け入れた。少し悪戯心が芽生えて舌の先を入れてみる。彼らはびっくりしつつもまた受けいれた。深くなるキスにブラハは少し苦しそうに声を出す。
「は…ふ…」
それでも俺はキスをやめなかった。よろけそうな彼らの体を片腕で支えながら、何度も口内をまさぐった。
暫くして、唇を離して彼らを胸に抱き寄せる。
日はまだ登りそうになかった。
狩りに出掛けた翌日、ブラハはパチパチと爆ぜる焚き火を眺めながらぽつりぽつりと過去を話していた。
「ブーンは私に様々な事を教えてくれた。このアビリティも、彼に教わった事だ。これは狩りの成果を更に向上させた…。」
ブラハは夜空を見上げて、ほぅと息を吐いた。ゴーグルに隠れて見えないが、昔を懐かしむ様に目を細めているのが分かる。
「彼は人との交流についても教えてくれた。コミュニケーションは言葉だけではなく、身振りや握手等の体を使った動作も含まれる、と。」
ブラハはゆっくりとマスクを外して俺の顔をじっと眺めた。
「例えば、今目の前に居る人物を『愛しい』と感じた時、相手の同意を得てから口付けができる。」
ブラハはそう言って柔らかな笑みを浮かべた。「ははっ、今の話の流れだと、俺とキスしてぇって事になるぞ?」
「ふふ、構わない。」
ブラハはまたふわっと笑った。まだ夜が明ける前で眠いのか、普段見られない表情を見る事が出来てこっちも幸せだ。お望み通り、ブラハの薄い唇に自分のを重ねる。わざとチュッと音を立てて離れると、ブラハはうっとりと口角を上げて微笑んだ。
可愛い。
しかし、なんだかブーンの話に乗せられた気分だ。何となくヤキモチを焼いた俺は、ブラハに聞いてみた。
「なあ、もう1回キスしてもいいか?」
「なんだ、足りなかったのか?」
ブラハはくすくす笑う。俺はブラハの両頬に慎重に手を添えると、敢えてゆっくり顔を近づけた。
唇が触れ合う。彼らは受け入れた。少し悪戯心が芽生えて舌の先を入れてみる。彼らはびっくりしつつもまた受けいれた。深くなるキスにブラハは少し苦しそうに声を出す。
「は…ふ…」
それでも俺はキスをやめなかった。よろけそうな彼らの体を片腕で支えながら、何度も口内をまさぐった。
暫くして、唇を離して彼らを胸に抱き寄せる。
日はまだ登りそうになかった。
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