姓は「矢代」で固定
第4話 わたしのお仕事
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***
「面白かった!」
お話や世界観に入り込んだら、桟敷の静かな花なんて全く目に入らない。
演劇中に時折遠くから飛んでくる掛け声。ここぞという時が決まっているのだろう、手慣れた『大向こう』が何人かいた。それ以外にも、客席からも控えめだが明るい声がいくつか上がっていて、寒さなんて忘れるくらいに劇場は熱気に溢れていた。
「あれ、私もやりたい!」
「言うと思った」
左之助は口の片端を上げて笑う。
弥月は外へ出たところで「んー」と伸びをした。
一日観劇した疲れはあるが、すごく気分転換になった。因みに、三人それぞれにちょっと転寝している時間はあったが、それも含めて良い休日だった。
妓女さんらは勉強として観に来ているらしい。男が演じているのに、それくらいに女形の動きは嫋(たお)やかで優美だった。
「浮世絵の役者絵じゃ男も女も誰が何だかって感じでしたけど、あれは推せる!」
「弥月、ホント細かいこと苦手ってか、情緒ってもんがねぇよな」
「新八さんに言われたくないんですけどー」
そんな感想を語らいながら帰路につく。
「そうだ、折角祇園まで来たんだ。千鶴ちゃんになんか土産買って帰ろうぜ!」
「あるあるおススメ! お菓子なら任せて!!」
「お前、土産つったら食い物しかねえのか…」
左之さんのツッコミを受けて、ふっと思い出す。
そういや、簪の話どうしよっかな
近藤さんと出かける機会がなくて、宙ぶらりんになったままの千鶴ちゃんへの贈り物の話。夏に『土方さんが浴衣を抜け駆けして渡したどうしたこうした』と云う話を聞いたから、共同出資的な感じで渡した方が、丸く収まるのだろうか。
でも、簪一本を折半もなぁ…
弥月は提案しきれずに、脚が向くに任せて団子屋へ二人を導く。そして、財布の紐が緩みきっている新八に会計を任せて、その場で食べる用にもらった串を左之助に渡した。
「まあ、気晴らしになったんなら良かったな。お前、ここんとこしょぼくれた顔してたから」
「…そう?」
「お前だけじゃねえけどな。総司も土方さんも、三木の奴ですら辛気臭ぇ顔してるぜ」
挙がった名前には心当たりがあった。彼らは長州に向かった一行に近しい人達だ。
「心配する気持ちは分かるけどな。山崎だって、お前にそういう顔してて欲しくはねぇだろ」
「…」
返事はできなかった。私はどんな顔に見えているのだろうかと、視線を下げて「そうかな」と落とす。
わたし、普通だったよ
心配はしているけど、自分のできる事、しなきゃしけない事をして、ただ報せを待っていた。
新八さんが戻ってきて、私の手から団子を受け取りながら「どした?」と不思議そうにして、私たちを交互に見る。
「いやな。ずっと気ぃ張ってるから、息抜きに良かったって話をな」
「…ああ! 弥月も総司も頑張ってるよな!」
新八が屈託なく笑いながら言うので、敢えて話を弥月に限定しなかった左之助は、苦笑しながら「だな」と頷いた。
「総司はまた機嫌悪くなるだろうと思ったが。ここんとこ、組長らしい顔してるのが、な」
「でもよ、オレは下令の後に、お前らがなぜか道場でブッ叩きあってて…止めに入った時はこれからどうなる事かとヒヤヒヤしたぜ」
「すみません…」
それは訊問使派遣の説明の後、私が広間から沖田さんに引っ張り出された時の話だ。
私たちはそのまま道場へとどちらともなく向かって行った。下令に納得がいかない私と、納得したフリをした沖田さんは、感情と力の行き場を求めていた。
渦巻いた気持ちを思い出して、弥月はグッと唇を引き結ぶ。
「そういや、島田が言ってたぜ。山崎は”自分の代わりに土方さんを支えられる”って思ったから、弥月を置いてったんだとよ」
「…そうですか」
「島田も最初は捨てられた犬みたいな顔してたっけな」
「まあな。あいつは、ややが生まれるからって理由で外されたってよ」
「山崎らしいな」
ハハハッと二人は軽く笑うが、弥月は顔を歪めた。
それらしい理由
彼が思っていないとは言わないが、理由なんて後付けだ。烝さんは自分の事なんて二の次で……自分は任務を最優先にするのに、他の人が同じとは少しも思わない。私だけじゃない…島田さんも連れて行ってほしかったはずだ。
「弥月、元気出せ!」
「笑えないなら、怒っていいんだって。愚痴ならいくらでも聞いてやるから」
「…怒ってないです」
土方さんにも同じことを言われた。けれど、その時よりも今は胸がモヤモヤとしていた。
「いいや。お前、最近ず――っと機嫌悪い」
「だな」
機嫌、悪い?
「今日のも、最初は断る理由探してたろ」
「!!」
「そうなのか?」
「なんッか気に入らない顔してた」
左之さんの語気が少し強くて、息が詰まるように感じた。
「俺らに不満があったんだろ。言ってみろよ」
「え。おい、左之…」
不満はなかった
けれど、気乗りはしなかった
新八さんは狼狽えているけれど、自分の気持ちの問題だから隠す必要はない。
「…左之さんらに、ってわけじゃない」
そう思うのに、罪悪感で彼らと視線を合わせられなかった。
「別に誰がどこで遊んでようとも、なんとも思ってなかった……自分が誘われるまでは。けど、特使の人達が危険なところにいるのに、私だけこうしてるのは…急に悪いことの気がしたから…」
仲間が危険な場所にいると知っていて、娯楽に興じるのはどこか後ろめたかった。そう思いながらも、享受した後に追及されて、今はすごく居心地が悪い。これでは、誘った彼らを責めているようでもある。
でも、悪いとも思ってない
この矛盾した気持ちの説明ができなかった。
左之助は特大の溜息を吐いて「分かるけどな」と前置きをし、言いたい事の糸口を考える。けれど、その隙間に新八が「それはそれ、これはこれだろ」とポロリと溢した。
「俺達だって別に、明日が絶対にあるって決まったわけじゃねぇんだから」
新八の言葉に、弥月はしばらく考えてコクンと頷く。
そう…彼らが生きる楽しみを持って過ごすことを否定したいわけじゃない。自分も「普通」で居たかったから、歌舞伎の誘いに着いてきた
「…ごめんなさい」
「謝ることじゃねえよ。でもな、弥月、今日だけじゃねぇだろ」
「…」
「土方さんがお前の事、ずっと気味悪がってる」
「…人が静かだから不気味って……」
「そんだけお前、言いたい事、溜め込んでるって話だ」
左之さんは団子の串を店先の箱に捨てて、屯所へと歩き出した。新八さんはまだ残っているそれを手に持ったまま、左之さんの後を追い、私は彼に手招かれる。
「近藤さんと行った奴らは、待ってる方も苦しいのは分かってるって。あの人らは仲間がちゃんと飯食って、笑って元気にしてる方が嬉しいに決まってるだろ」
「…うん」
「大丈夫だ。選りすぐりの奴ら連れてってんだから」
左之さんのそれは、自分に言い聞かせるようでもあって。
何も保障なんてない。大丈夫なんて、屯所に残った誰も恐くて口にできなかった。手紙が届くまでの数日の時間差。全てを任せたのだと思い返しても、何も介入できない事がもどかしい。
そして、これから届く報せには、あの人が無事かどうかは書かれない……誰も知らないから。
便りがないのは―――…、なんて…
新八は弥月を横目に見て、「山崎は」と口を開く。
「ずっと一人で飛び回ってる奴だけど、今まで敵に出くわしたって、デカい怪我なんかしたことねぇよな」
「…うん」
「なら信じてやろうぜ。ちゃんと帰ってくるから」
「…ん」
「堅実で無茶しない、退き時は見極められる奴だろ。お前みたいには突っ込んでいかねぇよ」
「…」
いつも怒られてた、一人で危険なところに行くなと
彼は今独りではないだろうか
私はそこに必要なかっただろうか
私では
左之さんは立ち止まり、振り返って「弥月」と。
「急に大人みたいな顔してんなよ」
「…?」
「笑って、泣いて、文句言って、いつも通りしてたら良いんだって」
「…」
「文句、あるだろ?」
「ーーッぅん…」
ずっと喉元で留まっていた言葉。ぐちゃぐちゃになった感情が抑えられなくて、涙が滲んでしまい、グイと手の甲で拭う。
私じゃ駄目って思わないでほしかった
どれだけ理由に納得できていても、放って行かれたような悲しさと悔しさ、寂しさ、不安とともに毎日過ごしていた。いつ訃報が入るか、入りもしないままなのではと、無理にでも付いて行かなかったことに後悔した。
「私…ッ、一緒に行きたかった…!」
「そうだな」
串を咥えた新八が弥月と肩を組んで、左之助が頭を撫でる。二人は息を緩めて吐きだした。
「舎弟にこんなに思われたら、山崎も組長冥利に尽きるってもんだなぁ」
「いや、俺は死ぬ前から男に泣かれるのは、ちょっとな」
「左之、お前ってやつは…」
「冗談だって」
ククッと左之さんが笑っていた。
「帰ってきても絶対に口聞いてあげないもん」
「そうしろそうしろ!」
「ハハッ、恐ぇ嫁さんみたいだな」
左之さんを睨むと、また「冗談だって」と言う。
誰ともなく家路へとまた歩き出して、弥月たちは陽の落ちる遠くの西の空を眺めた。
「面白かった!」
お話や世界観に入り込んだら、桟敷の静かな花なんて全く目に入らない。
演劇中に時折遠くから飛んでくる掛け声。ここぞという時が決まっているのだろう、手慣れた『大向こう』が何人かいた。それ以外にも、客席からも控えめだが明るい声がいくつか上がっていて、寒さなんて忘れるくらいに劇場は熱気に溢れていた。
「あれ、私もやりたい!」
「言うと思った」
左之助は口の片端を上げて笑う。
弥月は外へ出たところで「んー」と伸びをした。
一日観劇した疲れはあるが、すごく気分転換になった。因みに、三人それぞれにちょっと転寝している時間はあったが、それも含めて良い休日だった。
妓女さんらは勉強として観に来ているらしい。男が演じているのに、それくらいに女形の動きは嫋(たお)やかで優美だった。
「浮世絵の役者絵じゃ男も女も誰が何だかって感じでしたけど、あれは推せる!」
「弥月、ホント細かいこと苦手ってか、情緒ってもんがねぇよな」
「新八さんに言われたくないんですけどー」
そんな感想を語らいながら帰路につく。
「そうだ、折角祇園まで来たんだ。千鶴ちゃんになんか土産買って帰ろうぜ!」
「あるあるおススメ! お菓子なら任せて!!」
「お前、土産つったら食い物しかねえのか…」
左之さんのツッコミを受けて、ふっと思い出す。
そういや、簪の話どうしよっかな
近藤さんと出かける機会がなくて、宙ぶらりんになったままの千鶴ちゃんへの贈り物の話。夏に『土方さんが浴衣を抜け駆けして渡したどうしたこうした』と云う話を聞いたから、共同出資的な感じで渡した方が、丸く収まるのだろうか。
でも、簪一本を折半もなぁ…
弥月は提案しきれずに、脚が向くに任せて団子屋へ二人を導く。そして、財布の紐が緩みきっている新八に会計を任せて、その場で食べる用にもらった串を左之助に渡した。
「まあ、気晴らしになったんなら良かったな。お前、ここんとこしょぼくれた顔してたから」
「…そう?」
「お前だけじゃねえけどな。総司も土方さんも、三木の奴ですら辛気臭ぇ顔してるぜ」
挙がった名前には心当たりがあった。彼らは長州に向かった一行に近しい人達だ。
「心配する気持ちは分かるけどな。山崎だって、お前にそういう顔してて欲しくはねぇだろ」
「…」
返事はできなかった。私はどんな顔に見えているのだろうかと、視線を下げて「そうかな」と落とす。
わたし、普通だったよ
心配はしているけど、自分のできる事、しなきゃしけない事をして、ただ報せを待っていた。
新八さんが戻ってきて、私の手から団子を受け取りながら「どした?」と不思議そうにして、私たちを交互に見る。
「いやな。ずっと気ぃ張ってるから、息抜きに良かったって話をな」
「…ああ! 弥月も総司も頑張ってるよな!」
新八が屈託なく笑いながら言うので、敢えて話を弥月に限定しなかった左之助は、苦笑しながら「だな」と頷いた。
「総司はまた機嫌悪くなるだろうと思ったが。ここんとこ、組長らしい顔してるのが、な」
「でもよ、オレは下令の後に、お前らがなぜか道場でブッ叩きあってて…止めに入った時はこれからどうなる事かとヒヤヒヤしたぜ」
「すみません…」
それは訊問使派遣の説明の後、私が広間から沖田さんに引っ張り出された時の話だ。
私たちはそのまま道場へとどちらともなく向かって行った。下令に納得がいかない私と、納得したフリをした沖田さんは、感情と力の行き場を求めていた。
渦巻いた気持ちを思い出して、弥月はグッと唇を引き結ぶ。
「そういや、島田が言ってたぜ。山崎は”自分の代わりに土方さんを支えられる”って思ったから、弥月を置いてったんだとよ」
「…そうですか」
「島田も最初は捨てられた犬みたいな顔してたっけな」
「まあな。あいつは、ややが生まれるからって理由で外されたってよ」
「山崎らしいな」
ハハハッと二人は軽く笑うが、弥月は顔を歪めた。
それらしい理由
彼が思っていないとは言わないが、理由なんて後付けだ。烝さんは自分の事なんて二の次で……自分は任務を最優先にするのに、他の人が同じとは少しも思わない。私だけじゃない…島田さんも連れて行ってほしかったはずだ。
「弥月、元気出せ!」
「笑えないなら、怒っていいんだって。愚痴ならいくらでも聞いてやるから」
「…怒ってないです」
土方さんにも同じことを言われた。けれど、その時よりも今は胸がモヤモヤとしていた。
「いいや。お前、最近ず――っと機嫌悪い」
「だな」
機嫌、悪い?
「今日のも、最初は断る理由探してたろ」
「!!」
「そうなのか?」
「なんッか気に入らない顔してた」
左之さんの語気が少し強くて、息が詰まるように感じた。
「俺らに不満があったんだろ。言ってみろよ」
「え。おい、左之…」
不満はなかった
けれど、気乗りはしなかった
新八さんは狼狽えているけれど、自分の気持ちの問題だから隠す必要はない。
「…左之さんらに、ってわけじゃない」
そう思うのに、罪悪感で彼らと視線を合わせられなかった。
「別に誰がどこで遊んでようとも、なんとも思ってなかった……自分が誘われるまでは。けど、特使の人達が危険なところにいるのに、私だけこうしてるのは…急に悪いことの気がしたから…」
仲間が危険な場所にいると知っていて、娯楽に興じるのはどこか後ろめたかった。そう思いながらも、享受した後に追及されて、今はすごく居心地が悪い。これでは、誘った彼らを責めているようでもある。
でも、悪いとも思ってない
この矛盾した気持ちの説明ができなかった。
左之助は特大の溜息を吐いて「分かるけどな」と前置きをし、言いたい事の糸口を考える。けれど、その隙間に新八が「それはそれ、これはこれだろ」とポロリと溢した。
「俺達だって別に、明日が絶対にあるって決まったわけじゃねぇんだから」
新八の言葉に、弥月はしばらく考えてコクンと頷く。
そう…彼らが生きる楽しみを持って過ごすことを否定したいわけじゃない。自分も「普通」で居たかったから、歌舞伎の誘いに着いてきた
「…ごめんなさい」
「謝ることじゃねえよ。でもな、弥月、今日だけじゃねぇだろ」
「…」
「土方さんがお前の事、ずっと気味悪がってる」
「…人が静かだから不気味って……」
「そんだけお前、言いたい事、溜め込んでるって話だ」
左之さんは団子の串を店先の箱に捨てて、屯所へと歩き出した。新八さんはまだ残っているそれを手に持ったまま、左之さんの後を追い、私は彼に手招かれる。
「近藤さんと行った奴らは、待ってる方も苦しいのは分かってるって。あの人らは仲間がちゃんと飯食って、笑って元気にしてる方が嬉しいに決まってるだろ」
「…うん」
「大丈夫だ。選りすぐりの奴ら連れてってんだから」
左之さんのそれは、自分に言い聞かせるようでもあって。
何も保障なんてない。大丈夫なんて、屯所に残った誰も恐くて口にできなかった。手紙が届くまでの数日の時間差。全てを任せたのだと思い返しても、何も介入できない事がもどかしい。
そして、これから届く報せには、あの人が無事かどうかは書かれない……誰も知らないから。
便りがないのは―――…、なんて…
新八は弥月を横目に見て、「山崎は」と口を開く。
「ずっと一人で飛び回ってる奴だけど、今まで敵に出くわしたって、デカい怪我なんかしたことねぇよな」
「…うん」
「なら信じてやろうぜ。ちゃんと帰ってくるから」
「…ん」
「堅実で無茶しない、退き時は見極められる奴だろ。お前みたいには突っ込んでいかねぇよ」
「…」
いつも怒られてた、一人で危険なところに行くなと
彼は今独りではないだろうか
私はそこに必要なかっただろうか
私では
左之さんは立ち止まり、振り返って「弥月」と。
「急に大人みたいな顔してんなよ」
「…?」
「笑って、泣いて、文句言って、いつも通りしてたら良いんだって」
「…」
「文句、あるだろ?」
「ーーッぅん…」
ずっと喉元で留まっていた言葉。ぐちゃぐちゃになった感情が抑えられなくて、涙が滲んでしまい、グイと手の甲で拭う。
私じゃ駄目って思わないでほしかった
どれだけ理由に納得できていても、放って行かれたような悲しさと悔しさ、寂しさ、不安とともに毎日過ごしていた。いつ訃報が入るか、入りもしないままなのではと、無理にでも付いて行かなかったことに後悔した。
「私…ッ、一緒に行きたかった…!」
「そうだな」
串を咥えた新八が弥月と肩を組んで、左之助が頭を撫でる。二人は息を緩めて吐きだした。
「舎弟にこんなに思われたら、山崎も組長冥利に尽きるってもんだなぁ」
「いや、俺は死ぬ前から男に泣かれるのは、ちょっとな」
「左之、お前ってやつは…」
「冗談だって」
ククッと左之さんが笑っていた。
「帰ってきても絶対に口聞いてあげないもん」
「そうしろそうしろ!」
「ハハッ、恐ぇ嫁さんみたいだな」
左之さんを睨むと、また「冗談だって」と言う。
誰ともなく家路へとまた歩き出して、弥月たちは陽の落ちる遠くの西の空を眺めた。