姓は「矢代」で固定
第3話 暗示
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***
南雲薫に放り出されて、どれくらいの時間が経った後か。
いつのまにか気を失っていた弥月の意識は、身動きしたときの脚の痛みで、一機に浮上した。
「――っ!!」
動こうとしたら、腹の痛みにも苛まれ、ビクビクと体を震わせて、全身の痛みを一度受け入れる。脂汗が出るのを感じていたら、途切れ途切れの記憶と思考が頭を巡り、それは雑然として纏まらなかった。
それでも脚の処置が優先だと気づき、首に巻いていた頭巾用の布でできる限り縛った。そして、刺さったままだった短刀を抜いて、残った布の端で、患部を直接縛る。
腕は……自分では縛れないな…
歯と反対の手で、ほどほどに縛る。すでに流血は収まっていたため、一先ず置いておいても問題ないだろう。そして再び、楽な体勢で横になる。しかし、息をするのにも腹が痛かった。
顔を苦悶用に歪めたまま、まず、すべき事を考える。
どれくらい倒れてたんだろ…
日の位置もそう変わりないから、経っていたとしても一刻ほどだろうか。時間はそれほど心配しなくて良いはずだ。
とりあえず、帰らなきゃだけど、歩けるかな…
ここは山の中。叫んでも助けは望めない。そして、この状況で熊や狼が出たら、確実に死ぬ。脚を引きずってでも、早く降りるべきだ。
肉は好きだが、肉になりたくはない
「行こ…――っ、ててててててえぇぇ!!!」
立ち上がろうとして、ビキッと走った痛みに耐えかねて、バタンと倒れる。叫んだせいで、腹にも鈍痛がじわじわと襲って来た。
……
「…これ死ぬわ」
ボソリと呟く。
例えばこれが漫画なら、ここで誰かが助けに現れるが、私の現実はそう上手く転ばない。自分で何とかするしかない。
泣けるー…
本当に痛みで涙が滲んではいるが、寧ろ今は気持ちの問題だった。
這いずる様に進んで、落ちていた自分の刀を鞘に収めて、杖にする。忍び刀は丁度よく地面に刺さって安定した。
「よっこいしょー…」
――…
「ん…?」
人の声らしき音が聞こえた気がする。
スウッ
「イッ、たいたいいぃぃぃ!!!」
誰がいるかは知らないが、「助けて」と叫ぼうと、息を思いっきり吸った。結果、痛い。やっぱり私は馬鹿かもしれない。
「弥月!? どこだー!?」
……
「…まじか、新八さん。神過ぎる。結婚してくれ」
絶対本人には言わないだろうことを、思わず口走ってしまうくらいには、彼が私のヒーローで王子様でスーパーマンに見える状況だった。
***
南雲薫に放り出されて、どれくらいの時間が経った後か。
いつのまにか気を失っていた弥月の意識は、身動きしたときの脚の痛みで、一機に浮上した。
「――っ!!」
動こうとしたら、腹の痛みにも苛まれ、ビクビクと体を震わせて、全身の痛みを一度受け入れる。脂汗が出るのを感じていたら、途切れ途切れの記憶と思考が頭を巡り、それは雑然として纏まらなかった。
それでも脚の処置が優先だと気づき、首に巻いていた頭巾用の布でできる限り縛った。そして、刺さったままだった短刀を抜いて、残った布の端で、患部を直接縛る。
腕は……自分では縛れないな…
歯と反対の手で、ほどほどに縛る。すでに流血は収まっていたため、一先ず置いておいても問題ないだろう。そして再び、楽な体勢で横になる。しかし、息をするのにも腹が痛かった。
顔を苦悶用に歪めたまま、まず、すべき事を考える。
どれくらい倒れてたんだろ…
日の位置もそう変わりないから、経っていたとしても一刻ほどだろうか。時間はそれほど心配しなくて良いはずだ。
とりあえず、帰らなきゃだけど、歩けるかな…
ここは山の中。叫んでも助けは望めない。そして、この状況で熊や狼が出たら、確実に死ぬ。脚を引きずってでも、早く降りるべきだ。
肉は好きだが、肉になりたくはない
「行こ…――っ、ててててててえぇぇ!!!」
立ち上がろうとして、ビキッと走った痛みに耐えかねて、バタンと倒れる。叫んだせいで、腹にも鈍痛がじわじわと襲って来た。
……
「…これ死ぬわ」
ボソリと呟く。
例えばこれが漫画なら、ここで誰かが助けに現れるが、私の現実はそう上手く転ばない。自分で何とかするしかない。
泣けるー…
本当に痛みで涙が滲んではいるが、寧ろ今は気持ちの問題だった。
這いずる様に進んで、落ちていた自分の刀を鞘に収めて、杖にする。忍び刀は丁度よく地面に刺さって安定した。
「よっこいしょー…」
――…
「ん…?」
人の声らしき音が聞こえた気がする。
スウッ
「イッ、たいたいいぃぃぃ!!!」
誰がいるかは知らないが、「助けて」と叫ぼうと、息を思いっきり吸った。結果、痛い。やっぱり私は馬鹿かもしれない。
「弥月!? どこだー!?」
……
「…まじか、新八さん。神過ぎる。結婚してくれ」
絶対本人には言わないだろうことを、思わず口走ってしまうくらいには、彼が私のヒーローで王子様でスーパーマンに見える状況だった。
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