第十一話 禁門の変

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 丑三刻に出立した嵯峨野の長州兵が、夜明け前に蛤御門(西)、中立売門(北西)、下立売門(南西)にて戦闘を開始した。それぞれ会津藩、筑前藩、桑名藩の守護下にあったが、長州の強兵の猛襲に合い、先んじて中立売門、次に蛤御門が突破される。
 そうして御所内部への長州藩の進軍を許すも、薩摩藩邸からの援軍と、嵯峨野へ向かっていた西郷吉之助の援軍を得て、形勢は逆転した。



 下立売御門へ到着した新選組が、負傷兵の介抱と状況確認へ奔走し始めると、すぐに斎藤からの報告が土方の元へ届く。


「朝方、蛤御門へ圧しかけた長州兵は、会津と薩摩の多数の兵力により、退けられた模様です」

「フッ、薩摩が会津の手助けねぇ……世の中、変われば変わるもんだな」


 そうして既に戦闘が終わったものと、土方は一瞬気を抜いたが、「土方さん!」と原田が焦った様子で来て、その後ろに弥月が付いているのを認めて、眉間に皺を寄せる。


「公家御門の方に、まだ長州の奴らが残っているらしいぜ!」

「なに…!?」


 公家御門…つまり蛤御門を突破した兵の一部は、さらに内の内裏へ達しようとしていた。

 すぐに兵を率いようとした土方だったが、「局長」と声が上がり、山崎がどこからともなく現れる。


「今回の御所襲撃を先導したと見られる者たちは天王山へ向かっています」

「どうする、トシ」


 報せを聞いて、さらに表情を厳しくした近藤に反して、土方は面白いとでも言うかのように鼻を鳴らして不敵に笑う。


「原田、隊を率いて公家御門へ向かい、残党どもを追い返せ。矢代もついて行け」

「あいよ!」
「承知」


 原田と矢代は、今こそ一刻を争う事態と、他の者への指示までは聞かずに、戦場へと走り出した。



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