姓は「矢代」で固定
第9話 予定された死
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どうやら己の願いは叶わないようだ。
やはり治政とは細民がどう足掻こうとも、手の及ばぬ所なのかもしれない。
自由とは、平等とは何か。己にはその素晴らしさが虚像のように思えた。
そんなもののために我らは負けるのかと、憤りすら覚えた。
ここから始まるであろう戦に負ければ、武士の誇りが失われてしまうのだと思っていた。
だが、幸せかどうかは自分が決めることだと、偉そうな口調で言ったあの女。
女が男と等しく扱われる世を想像できはしなかったが、その象徴の様な者がここにいて、事実なのだろうということは理解できた。
自由の中で生きるあの女は、辛いこともあるが、幸せだと目で語っていた。
ここから始まるであろう戦に負ければ、武士の誇りそのものが失われてしまうのだと思っていた。
だが、あの女の中には華々しくなくとも、武士の心が根付いていた。
ならば、俺のしてきたことも、これから奴らがすることも無駄ではないのかもしれない。
自由という不安定な世界で生きる彼らを支えるのは、我らが掲げた理想なのかもしれない。
ならば、来たるべき日に、我らの思いが生きることを祈ろう
遠い日の日ノ本の指針となれ
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