姓は「矢代」で固定
第9話 予定された死
混沌夢主用・名前のみ変更可能
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間もなく新体制ができあがった。
近藤さんを局長に、土方さんが副長、山南さんが総長。
八木邸にいた芹沢一派は一掃され、平隊士の中の支持者も成りを潜めた。
彼らが長いものに巻かれていくのに弥月も倣う。
今は掃討の対象にならなかったことだけを喜べば良い。
弥月は急場しのぎに作ったばかりの巾着の中身を見る。チャリ、と微かに金属音が鳴った。
一ッ月三両
逃走に必要なお金はいくらか
自分は目立ちすぎる。ここから逃げるならば、もう京には居られない。
だけど、行くあても無ければ、逃走経路も分からない。
東海道を行くのが人としては安全だろうけど、そこここに関所があるはずだ。足跡を残すわけにはいかない。
「…三ヶ月もあれば…」
ここを安全に離れるための準備が必要だ。
それまで尻尾を出してはいけない
仲間であることを疑われるな
巾着を縛って懐にしまう。
浅葱色の羽織に袖を通して襷をかけ、刀と竹光を腰にさした。
スッと顔をあげる。
最低でも生きて帰る。そのために未来を変えない
最高はここで生きる人達に義を尽くす。彼に恥じないような生き方を
生きるならば命を燃やせ
「出立する」
「はい!」
「「御意!!」」
刀を振るのは命を屠るためではなく、義に報いるために。
―――第一章 終