姓は「矢代」で固定
第9話 予定された死
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文久三年九月十八日
夕刻、屯所から出て行く彼らを見守った。
そのからどれだけ時間が流れても、易々と布団で眠りにつける筈もなく。ただ、出かけなかった井上への体裁のために自室に籠った。
そして、ただただ長い夜がいつまでも終わらないのを感じていた。
少し強めの雨が、地面や建物、木々を叩く音がする。
このザーザーと水同士が打ち鳴る音が、今日の全てを覆い隠してくれることを期待していた。
なのに…
「…まさか…屯所で、とは思わなかった、な」
てっきり出先で、それが行われると思っていた。
雨に混ざって、刃が交わる音がかすかに聞こえる。
そして、怒りや悲哀を含んだ無数の人の声を、否応なしにこの耳は捉えた。
「――っ誰か、叫んでる…」
悲鳴だろうか、怒号だろうか。
命をやり取りする場で、心を使って発した声。
それはどれ程に相手に届くのだろうか
「――っ!」
弥月は耐えきれず、布団にくるまって、耳を塞いだ。
早く
早く終わって…
繰り返し、心の中でそう唱えた。
凄惨な光景を思い浮かべては、頭を振ってかき消す。
何度、あの男の首が飛ぶところを想像しただろうか。
どうか
どうか
土方さん
彼の望みを聞き届けてください