姓は「矢代」で固定
第2話 真偽のみかた
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イケメンに促されて、「斎藤」と呼ばれる、昨日のもう一人の青年が話し出した。
「昨夜、京の町を巡回中、浮浪浪士と遭遇。相手が刀を抜いたため斬り合いとなりました」
「…は?」
やっば! 思わず口が!!
「なんだ。どうかしたのか?」
「…」
急にピリつきだした空気に、ここで黙ったら余計に不味いだろうと、弥月は諦めて、失言ついでに聞くことにする。
もちろん命の危険が少なくて、……ここはやっぱりヤーさんの巣窟ですか?とかじゃなくて……無難そうな疑問を。
「ここは京都ですか?」
「「は?」」
今度は彼らが口をポカンと開ける番だった。
「斎藤、こいつ何処にいたんだ?」
「魚棚通りあたりだ」
「…え?」
今、彼は何と…?
「あの、それって、鍵屋町の下のですか。」
「そうだが?」
何故お前が訊く、と訝しむ視線なんか気にならない。
え、え、え?
「なんだ、どうした」
誰かがまた私に声を掛けてくれたが、誰かと判別する余裕もない。
「いえ…なんでも…?」
京都の魚棚通り? え、それって道場の前の?
正直、「んなわけじゃん!」と叫びたいのだが、こうも自分が間違い扱いされては、口から出すのは憚られる。
「…---そこで逃がした一人を追ったところ、―――」
私が魚棚通りにいたって?
じゃあ、あそこの大通りは新町通り?
「…-―新町通り付近にて、この者と対峙しており、――」
嘘!
だって、めっちゃ古い町並みだった!
見た事もないところだった!
「この者が心臓を一突きにして、浪士を仕留めました」
「嘘だ」
発せられた一言に、部屋全体に緊張が走る。誰もが弥月の次の言葉を待った。
だが弥月は誰とも視線を合わすことなく、まるで独り言のようにゆっくりと口を開いた。
「…ここ、は、どこ…」
私は家から一歩も動いていないけれど、気づけばここに来ていた。