姓は「矢代」で固定
第2話 真偽のみかた
混沌夢主用・名前のみ変更可能
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ゴホンッと軽い咳払いの音がして、上座の左側に座っていた人が話し出す。
昨日のイケメン。明るいと更にイケメンだなぁ…
「お前は何者だ」
「何者って…そう言われても…何が訊きたいのか分かんないんですけど…
矢代弥月、十七歳です。身分証、荷物に入ってませんでしたか?」
粛々と答えると、彼はチッと舌打ちをする。
「やっぱり言葉完璧じゃねえかよ…異人じゃねえのか。」
異人?
言葉に違和感を覚えるが、偉人ではなさそうだから異人だろう。
確かに、私は髪も眼も肌も日本人にしては色素が薄い。というより、ほとんど金髪で、目の色も薄いから、間違われることはよくある。
「間違いなく日本人です。ハーフでもないです。」
「はあふでも?」
男はかなり訝しげな顔をして首を傾げる。
その疑いは分からなくもないが、クォーターでもないから、そんな顔されても困るんだが。
あぁ、カラーじゃなくて地毛だと証明してほしいとか? そんな馬鹿な。
「私は生まれも育ちも京都の歴とした日本人で、髪とか眼とかは、曾祖父か、その前の前だか覚えてませんけど、先祖帰りのものなんです。
そんなことより、本題は何なんですか」
弥月は自分が苛立ちから、軽薄な言動をしているのを自覚していた。それを顕にすることは賢明ではないと思うが、我慢できないのは仕方ないとも思う。
だって、お腹すいた。どうせ尋問するならカツ丼とか出してくれないかな
昨日は夕方が突然夜になり、当然晩ご飯はなかった。今は夜が明けたばかりで朝ごはんもない。
夜中に独唱を続けてピークを過ぎた腹の虫も、活動とともに再び歌い始めようとしている。
そんな弥月の思いに気づいているとは思えないが、上座の真ん中に座った恰幅の良い男は、気持ちのよいほどに大きく頷く。
「うむ、そうだな。話が通じるなら問題ない。なら早速昨日の話をさせてもらおう」