姓は「矢代」で固定
第4話 預言者
混沌夢主用・名前のみ変更可能
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『詳しい事は後で伝えるから、とりあえず下がって良い』と言われて、ルンルン気分で歩いて出て行こうとしたのだが、島田さんに阻まれた。逃げようとしたら今度は肩に担がれてしまった。
「すみません。不本意でしょうが、体調の悪い貴方を放っておくわけにはいきませんから」
そう申し訳なさそうに言われてしまっては、喚くのを諦めるしかない。今度は大人しく、彼の肩越しに来た濡れ縁を見守る。
カラリと晴れた秋空の良い天気だった。気づけばもう残暑という時期も過ぎてしまっていたのだ。
これからはここを自由に歩ける
これからはここが私の家
ここは新選組の屯所
「…矢代君?」
島田さんに声を掛けられたが、返事をできなかった。
「―――っふっ…うっ…」
知らぬうちに遠くへ来てしまった。
もし…
もし、あのまま死んでたら、帰れたかな
苦しくて苦しくて辛くて、全てを投げ出したかった。もうどうでも良い、運が悪かったんだと思った。
だけど世界は続いている。私をここに引き留めたまま。
「…なんで…―っ」
「…」
島田は弥月を両腕に抱え直して足を進めた。
肩を濡らす彼の涙が、解放された喜びから発せられたものではないと分かってしまった。
弥月は声にならない声をあげて泣いていたので、「少し寄り道をします」と、彼に小さく声をかけられたのに気付かなかった。