姓は「矢代」で固定
第3話 日陰者
混沌夢主用・名前のみ変更可能
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ガタン…
「ん…」
誰か入ってきた
そうだ…あの音は納戸の戸が開く音
私はまだここにいるのか…
「……」
そうだ、私、なんかの病気で…
だめだ、止めなきゃ
「すいません…移したら駄目なので…出てください…」
今は夜なのだろう。戸を開けても光が入り込むことはなかった。
あぁ、瞼が重い…
「用件なら戸越しで聞きますから、えっと…どなたですか?」
やはり頭が働いていないのか、最初に一言だけ声をかけられた気がするが、誰のものか分からなかった。向こうも火種も何も持っていないようで、僅かに人影が見えるくらいだ。
出ていく気配のない様子に首を傾げる。
聞こえなかったのか、何も見えないから困ってるのかどちらだろうか。
仕方がないので、手を伸ばして枕元の火を入れようとした時、
「―っ!!」
殺気
咄嗟に跳ね起きる。部屋の隅にある木の棒へと手を伸ばした。
ガクン
「うあっ…」
木の棒を掴んだは良いが、何事かと思うくらい脚に力が入らない。なんとか壁を背に、ずり上がるように立つ。
この隙に襲ってきてもおかしくはなかったのだが、刺客は一歩部屋に入ったまま動いていなかった。
「誰ですか? ついに間者と断定されましたか」
「…」
「…さすがに、私もここまで体力落ちるとは思わなかったけど…」
寝込んでたかだか五日だ。インフルエンザで三日ほど寝込んだことがあるが、こんなに足元がふらつくとは思わなかった。
シャッ
刀が鞘から抜かれた音。
「ー―っ」
相手が見えないのはお互い様だろうが、部が悪すぎる。
だが、向こうから来る様子はない。
横を抜ける隙はない。真剣と交わったら一瞬で殺られる。
殺るなら、一撃で
棒を片手に持ち替える。振りかぶって、男の右後ろに鋭く投げつけた。
バンッ
「!?」
ダダダンッ
左足で床板を蹴り、跳ね上がる。右膝を折り、上体を捻り、男の左側頭部を狙って腰を回す。
つもりだった。
全くといって良いほどに跳躍できなかった。寧ろ、前へと崩れ落ちるようにへたりこんでしまった。
「な、んで…」
ビュッ
あ…
死ぬ