姓は「矢代」で固定
第2話 真偽のみかた
混沌夢主用・名前のみ変更可能
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
この時代の人間じゃないと言ったところで、都合の悪い物を「見た」ことが問題なくなる訳ないだろう。
寧ろ“縁無し、文無し”で軽く葬られるかもしれない。
…なら、自分のルーツは黙っていた方が得策?
「矢代君、君は生まれも育ちも京といったが、剣術は何処で習ったんだい?
齋藤君が言うには、どこの流派の物とも言い難い太刀筋だったそうだが」
うっ…いきなりピンポイント!
家は祖父が京都で道場を始めて、基本は越後の方だった気がする…越前だったか? 祖父の講釈は眠すぎて覚えられない。
あちこちで免許皆伝やら目録やらをした祖父が、二十五年前に京都に道場を開いた。“矢代流“の現在の門人は、30名に満たない弱小道場である。
だが、この150年前の世界でそれをどう言うべきか。
「...ぅま、混ぜぜこと言いますか...」
どもった。噛んだ。怪しすぎる
なのに近藤さんは「そうか、君も苦労したのだな」と勝手に納得している。
いや、まあ嘘ではないんですけれど…
無駄に筋肉を強調した服なのか、布切れなのかを身につけた男が言う。
「つったって、どこ流とか汲んでるもんだろ普通」
「し、師匠が放浪癖の人で、あんまり頓着なかったんですー…」
「ふむ、それはさぞ名のある武人だったのではないか?」
「えぇっと………五郎兵衛と名乗っていましたが…」
あ、祖父の名前です。
「斎藤知ってるか?」
「知らぬな」
「私も聞き及びませんねぇ」
当然、皆が首を傾げる。釈然とはしていないが、これ以上突っ込んでも、誤魔化しようはいくらでもあると判断したのだろう。
のんびりした口調で「まぁ、土方さんも『土方流』名乗れるくらい自己流ですしねぇ」「うるせぇ」なんて喧嘩がはじまる始末だ。