乙姫VS. 第七夜『マジック・ザ・ギャザリング』
乙姫つづりは不利を自覚していた。
令夜みりのデッキの情報は無いに等しかった。
対しこちらは平地6000。何もせずに突っ立っているだけのデッキだ。
どう戦う?
どう考えても無理だ。久寝ねねこ対策だけをしすぎた。てへっ。
コイントス。先手は令夜みり。
「乙姫つづり」
令夜みりが獅子の顔で睨む。
「私は例え相手が乳飲み子であろうと、寝たきりの病人であろうと、戦う時は全力を尽くす。それが戦士の礼儀だ。容赦はしない!」
乙姫つづりはそれに対し……不敵に笑った。
「姫もだよ、みりちゃん」
「結構!!先手第一ターン!!」
沼セット!魔力の墓所セット!モックスサファイアセット!暗黒の儀式!修繕!記憶の壺を場に出す!
こ、こいつ!!乙姫つづりは総毛立つ恐怖を味わった。
令夜みり。
外道だ。真の外道だ。
これはマジック史上最悪と呼ばれたMOMAすら上回る、最凶にして最低、地獄で産声を上げた悪夢のデッキ。
『メグリムジャー』だ。
その先手1ターンキル率は90%をゆうに超える。
マジックを知らない人に平たく説明すると、自分が先手なら相手に何もさせずにほぼ確実にぶっ殺す、自分が後手なら相手に何もさせずにほぼ確実にぶっ殺す、非道のデッキである。
「クリンナップ・ステップだ」
令夜みりが宣言する。
「貴様に28点ダメージ。何か言う事はあるか?」
マジックの初期ライフは20。何もできず、敗北である。
しかし、乙姫つづり。動く。
決意の表情で右手を上げた。
「ジャッジ!!」
「なんだ?」
「みりちゃんのデッキ枚数を確認して」
「何を馬鹿なことを」
苦笑する令夜みり。しかし……。
数え終えた梓星ゆえが告げた。
「59枚。ルールによる最低枚数に1枚足りんなぁ」
令夜みりの顔が、驚愕の表情に変わった。
「ば、ばかな。そんなはずが?」
「油断ならぬと言っただろう?」
「まさか!!?」
そう。乙姫つづりは、さっき令夜みりがお花摘みに行った隙に、1枚抜いておいたのだ。令夜みりのデッキから、超美品のブラックロータス(数千万円)を。
勝負あった。
穏やかな顔でため息をつく令夜みり。
「負けたよ。つづりちゃん。私は戦士としてまだまだ未熟だった」
「ううん。普通に戦ったら、姫に勝ち目はなかったよ」
「卑怯とか卑劣といった言い訳は、戦士には許されないのさ。おめでとう、つづりちゃん」
「ごめんね」
「いいんだ。よく考えたら梓星ゆえは審判だから倒しようがないしね」
「それは最初に気づこうね」
涙をこぼしながら友に言う乙姫つづり。
令夜みりは咲いた向日葵のように笑顔だった。
「がんばってね。つづりちゃん」
「ごめんね。みりちゃん。……さっきとったこれ、やっぱり返すよ」
ブラックロータスを懐から取り出す乙姫つづり。
令夜みりに差し出す。
「つづりん。それ窃盗」
「あ」
「つづりんの負け」
梓星ゆえが宣言してため息をついた。
*下の階に落ちた人は、きゃっきゃうふふしながら紅茶とお菓子を楽しんでました。
*このマロの登場人物は、実在のMOKUROKUメンバーとはやや無関係です。
*本物のはりちゃんは出オチ要員ではありません。
*本物のみりちゃんは軍刀を抜きません。
*本物の姫は窃盗をしません(重要!!)。
*実際のPictoria社では命を賭けたシ合は行われていません(たぶん!)。
*このあとみんなでミスドに行きました。
令夜みりのデッキの情報は無いに等しかった。
対しこちらは平地6000。何もせずに突っ立っているだけのデッキだ。
どう戦う?
どう考えても無理だ。久寝ねねこ対策だけをしすぎた。てへっ。
コイントス。先手は令夜みり。
「乙姫つづり」
令夜みりが獅子の顔で睨む。
「私は例え相手が乳飲み子であろうと、寝たきりの病人であろうと、戦う時は全力を尽くす。それが戦士の礼儀だ。容赦はしない!」
乙姫つづりはそれに対し……不敵に笑った。
「姫もだよ、みりちゃん」
「結構!!先手第一ターン!!」
沼セット!魔力の墓所セット!モックスサファイアセット!暗黒の儀式!修繕!記憶の壺を場に出す!
こ、こいつ!!乙姫つづりは総毛立つ恐怖を味わった。
令夜みり。
外道だ。真の外道だ。
これはマジック史上最悪と呼ばれたMOMAすら上回る、最凶にして最低、地獄で産声を上げた悪夢のデッキ。
『メグリムジャー』だ。
その先手1ターンキル率は90%をゆうに超える。
マジックを知らない人に平たく説明すると、自分が先手なら相手に何もさせずにほぼ確実にぶっ殺す、自分が後手なら相手に何もさせずにほぼ確実にぶっ殺す、非道のデッキである。
「クリンナップ・ステップだ」
令夜みりが宣言する。
「貴様に28点ダメージ。何か言う事はあるか?」
マジックの初期ライフは20。何もできず、敗北である。
しかし、乙姫つづり。動く。
決意の表情で右手を上げた。
「ジャッジ!!」
「なんだ?」
「みりちゃんのデッキ枚数を確認して」
「何を馬鹿なことを」
苦笑する令夜みり。しかし……。
数え終えた梓星ゆえが告げた。
「59枚。ルールによる最低枚数に1枚足りんなぁ」
令夜みりの顔が、驚愕の表情に変わった。
「ば、ばかな。そんなはずが?」
「油断ならぬと言っただろう?」
「まさか!!?」
そう。乙姫つづりは、さっき令夜みりがお花摘みに行った隙に、1枚抜いておいたのだ。令夜みりのデッキから、超美品のブラックロータス(数千万円)を。
勝負あった。
穏やかな顔でため息をつく令夜みり。
「負けたよ。つづりちゃん。私は戦士としてまだまだ未熟だった」
「ううん。普通に戦ったら、姫に勝ち目はなかったよ」
「卑怯とか卑劣といった言い訳は、戦士には許されないのさ。おめでとう、つづりちゃん」
「ごめんね」
「いいんだ。よく考えたら梓星ゆえは審判だから倒しようがないしね」
「それは最初に気づこうね」
涙をこぼしながら友に言う乙姫つづり。
令夜みりは咲いた向日葵のように笑顔だった。
「がんばってね。つづりちゃん」
「ごめんね。みりちゃん。……さっきとったこれ、やっぱり返すよ」
ブラックロータスを懐から取り出す乙姫つづり。
令夜みりに差し出す。
「つづりん。それ窃盗」
「あ」
「つづりんの負け」
梓星ゆえが宣言してため息をついた。
*下の階に落ちた人は、きゃっきゃうふふしながら紅茶とお菓子を楽しんでました。
*このマロの登場人物は、実在のMOKUROKUメンバーとはやや無関係です。
*本物のはりちゃんは出オチ要員ではありません。
*本物のみりちゃんは軍刀を抜きません。
*本物の姫は窃盗をしません(重要!!)。
*実際のPictoria社では命を賭けたシ合は行われていません(たぶん!)。
*このあとみんなでミスドに行きました。