乙姫VS. 第十夜『ドッジボール(中当て)』
「あの、よめなちゃん」
「なに?」
「姫を助けてくれたら、友達の年収2000万のぴちぴちの女の子を紹介するよ」
眠霊幽と環理よめなを包んでいた光が消えた。
環理よめなの瞳が光を失い、短剣よりも鋭くなっていた。
「その子はフリー?」
「もちろん!」
「あ、あの、よめっち?」雲行きの怪しさに眠霊幽が動揺する。
その胸に環理よめなが顔を埋めた。
「愛してるよ、幽ちゃん」
「そ、そうだよね。もちろんだよね」眠霊幽はわずかでも夫を疑った自分を恥じた。
「でもね」顔を上げる環理よめな。両目がきらきらと潤んでいた。
「愛って双方向じゃなきゃいけないと思うんだ」
「え?」
「よめなは幽ちゃんのこといっぱい愛してるよ」
「う、うん」
「だから幽ちゃんも、よめなへの愛を証明して」
「も、もちろんボクは……」
「言葉じゃなくて行動でお願いね」
「え」
戸惑う眠霊幽の両手に、ボールを押し付ける環理よめな。
「よめなね。この勝負、つづりちゃんに勝って欲しいの」
「そ……それはなんで…」
「え、それ聞く?」また光を失うの環理よめな瞳。
「うーん、よめなのこと疑ってるんだ。まぁいいけどさ」
「ごめん!ごめん!疑ってなんてないよ!」
「じゃあ、お願い」
にふりと笑ってボールを押す環理よめな。
対する眠霊幽の顔は絶望と悲しみに染まっていた。
「う……」
ボールを抱える眠霊幽。
「うわああああああああ!!!!!」
そして内野に走って突っ込んできた!!
特攻か!!
しかし内野からの投球は無効だ!!どうするつもりだ!
眠霊幽はそのまま久寝ねねこに突っ込む!つのねこちゃんたちが、まさに生垣となって、主人を守る!!
その脇を通り抜ける眠霊幽。狙いは……令夜みり!!
令夜みり、眠霊幽、外野の二人の少女を巻き込んで、ボールが炸裂した。
後に残ったのは、ぼろぼろになり膝をつく軍装の少女。
顔は憤激に歪んでいた。
「なんたる恥辱よ…!! この令夜みり、戦場に身を置きながら油断するとは……!!」
令夜みりはグラウンドに倒れた。
眠霊幽の痕跡は残っていない。何一つ。
場に残ったのは、乙姫つづり、久寝ねねこ、そして外野の環理よめな。
「ふふふ、これで邪魔者はいなくなりました。後は一人を仕留めるだけですね」
にふりと笑う環理よめな。
「ねんのため聞いておきますけど、ねねこちゃん。あなたは何か命乞いしたい内容がありますか?」
「こ、こんなの卑怯じゃろ!!?それに、自分の奥さんを……!!」
「ノンノン」指を振る環理よめな。
「そういう無駄で無意味なことは結構です。ねねこちゃんはよめなに何を差し出せますか?」
環理よめなが白衣の4次元ポケットから、プラモデルの大砲のようなものを取り出す。
プラモデルのようだが人間の数倍のサイズがある。
あれは環理よめなが超科学力で作りだしたリニアレールランチャーだ。
「審判!ボールを!!」
梓星ゆえが、ボールを環理よめなに投げ渡した。
「発言は良く考えてください。無駄なことを言えば、即発射します」
「えええと、ねねこの全財産。畑も土地も全部あげるよぉ!!」
「それはあなたのご家族のものでは?」
「全部譲渡させるよ!!」
「ほう。ブルーフォレストの田舎の土地ですかぁ」
「これから一生の、ねねこの全収入もあげるだよ!!」
リニアレールランチャーが、がちゃんと乙姫つづりを向いた。
「姫も全収入を差し出す!」
「でもつづりちゃん、あなたは無職じゃ」
「無職じゃない!毎日課金ガチャ回してるし、競馬にも行ってる!!」
「ギャンブルですか……。それって仕事と言えるのかな」
「言えるよ!!だって経済回してるもん!!」
「なるほど、やはりそれは仕事とは言えませんね」
環理よめなはにふりと笑った。
「もうちょっとマシな命乞いをしましょう」
「うぅ……」
乙姫つづりは追い詰められた。
こうなったら!
乙姫つづりは久寝ねねこを羽交い絞めにした。
「これでどう!」
「くっ!」
もがく久寝ねねこ。
二人でもちゃもちゃとレベルの低い揉み合いが始まる。
乙姫つづりはつのねこの群れをちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
しかしつのねこは後から後から湧いてくる。
環理よめなが痺れを切らした。
「ああ、もうどっちかが生き残ればいいや!! リニアレールランチャー、ファイア!!!」
引き金がひかれる。
超超超超超超超超超超超音速まで加速されたボールが発射。
運動エネルギーだけでこのグラウンドを吹き飛ばすには十分だ!!
そのボールが銃身から吐き出される寸前、姫の投げたつのねこがランチャーに突き刺さった。
「あ」
環理よめながどうこうする間も無く、あたりは白い光に包まれた。
「けほけほ」
クレーターの中から起き上がる乙姫つづり。
「なんか梓星、今回このためだけに呼ばれてるような気がするんだけど」
焦げた他は無傷の梓星ゆえが、グラウンドに唯一残ったボールカゴから立ち上がった。
「爆発オチとかさいてー」
「えへへ」
「つづりんの負け」
梓星ゆえが宣言してため息をついた。
*実際のPictoria社で私刑は行われていません。
*みんなが消滅したのはCG演出です。
*本物のはりちゃんは出オチ要員ではありません。
*本物のよめなちゃんは清楚です。
*この後みんなでフルーツパーラーに行きました。
「なに?」
「姫を助けてくれたら、友達の年収2000万のぴちぴちの女の子を紹介するよ」
眠霊幽と環理よめなを包んでいた光が消えた。
環理よめなの瞳が光を失い、短剣よりも鋭くなっていた。
「その子はフリー?」
「もちろん!」
「あ、あの、よめっち?」雲行きの怪しさに眠霊幽が動揺する。
その胸に環理よめなが顔を埋めた。
「愛してるよ、幽ちゃん」
「そ、そうだよね。もちろんだよね」眠霊幽はわずかでも夫を疑った自分を恥じた。
「でもね」顔を上げる環理よめな。両目がきらきらと潤んでいた。
「愛って双方向じゃなきゃいけないと思うんだ」
「え?」
「よめなは幽ちゃんのこといっぱい愛してるよ」
「う、うん」
「だから幽ちゃんも、よめなへの愛を証明して」
「も、もちろんボクは……」
「言葉じゃなくて行動でお願いね」
「え」
戸惑う眠霊幽の両手に、ボールを押し付ける環理よめな。
「よめなね。この勝負、つづりちゃんに勝って欲しいの」
「そ……それはなんで…」
「え、それ聞く?」また光を失うの環理よめな瞳。
「うーん、よめなのこと疑ってるんだ。まぁいいけどさ」
「ごめん!ごめん!疑ってなんてないよ!」
「じゃあ、お願い」
にふりと笑ってボールを押す環理よめな。
対する眠霊幽の顔は絶望と悲しみに染まっていた。
「う……」
ボールを抱える眠霊幽。
「うわああああああああ!!!!!」
そして内野に走って突っ込んできた!!
特攻か!!
しかし内野からの投球は無効だ!!どうするつもりだ!
眠霊幽はそのまま久寝ねねこに突っ込む!つのねこちゃんたちが、まさに生垣となって、主人を守る!!
その脇を通り抜ける眠霊幽。狙いは……令夜みり!!
令夜みり、眠霊幽、外野の二人の少女を巻き込んで、ボールが炸裂した。
後に残ったのは、ぼろぼろになり膝をつく軍装の少女。
顔は憤激に歪んでいた。
「なんたる恥辱よ…!! この令夜みり、戦場に身を置きながら油断するとは……!!」
令夜みりはグラウンドに倒れた。
眠霊幽の痕跡は残っていない。何一つ。
場に残ったのは、乙姫つづり、久寝ねねこ、そして外野の環理よめな。
「ふふふ、これで邪魔者はいなくなりました。後は一人を仕留めるだけですね」
にふりと笑う環理よめな。
「ねんのため聞いておきますけど、ねねこちゃん。あなたは何か命乞いしたい内容がありますか?」
「こ、こんなの卑怯じゃろ!!?それに、自分の奥さんを……!!」
「ノンノン」指を振る環理よめな。
「そういう無駄で無意味なことは結構です。ねねこちゃんはよめなに何を差し出せますか?」
環理よめなが白衣の4次元ポケットから、プラモデルの大砲のようなものを取り出す。
プラモデルのようだが人間の数倍のサイズがある。
あれは環理よめなが超科学力で作りだしたリニアレールランチャーだ。
「審判!ボールを!!」
梓星ゆえが、ボールを環理よめなに投げ渡した。
「発言は良く考えてください。無駄なことを言えば、即発射します」
「えええと、ねねこの全財産。畑も土地も全部あげるよぉ!!」
「それはあなたのご家族のものでは?」
「全部譲渡させるよ!!」
「ほう。ブルーフォレストの田舎の土地ですかぁ」
「これから一生の、ねねこの全収入もあげるだよ!!」
リニアレールランチャーが、がちゃんと乙姫つづりを向いた。
「姫も全収入を差し出す!」
「でもつづりちゃん、あなたは無職じゃ」
「無職じゃない!毎日課金ガチャ回してるし、競馬にも行ってる!!」
「ギャンブルですか……。それって仕事と言えるのかな」
「言えるよ!!だって経済回してるもん!!」
「なるほど、やはりそれは仕事とは言えませんね」
環理よめなはにふりと笑った。
「もうちょっとマシな命乞いをしましょう」
「うぅ……」
乙姫つづりは追い詰められた。
こうなったら!
乙姫つづりは久寝ねねこを羽交い絞めにした。
「これでどう!」
「くっ!」
もがく久寝ねねこ。
二人でもちゃもちゃとレベルの低い揉み合いが始まる。
乙姫つづりはつのねこの群れをちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
しかしつのねこは後から後から湧いてくる。
環理よめなが痺れを切らした。
「ああ、もうどっちかが生き残ればいいや!! リニアレールランチャー、ファイア!!!」
引き金がひかれる。
超超超超超超超超超超超音速まで加速されたボールが発射。
運動エネルギーだけでこのグラウンドを吹き飛ばすには十分だ!!
そのボールが銃身から吐き出される寸前、姫の投げたつのねこがランチャーに突き刺さった。
「あ」
環理よめながどうこうする間も無く、あたりは白い光に包まれた。
「けほけほ」
クレーターの中から起き上がる乙姫つづり。
「なんか梓星、今回このためだけに呼ばれてるような気がするんだけど」
焦げた他は無傷の梓星ゆえが、グラウンドに唯一残ったボールカゴから立ち上がった。
「爆発オチとかさいてー」
「えへへ」
「つづりんの負け」
梓星ゆえが宣言してため息をついた。
*実際のPictoria社で私刑は行われていません。
*みんなが消滅したのはCG演出です。
*本物のはりちゃんは出オチ要員ではありません。
*本物のよめなちゃんは清楚です。
*この後みんなでフルーツパーラーに行きました。
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