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乙姫VS. 第七夜『マジック・ザ・ギャザリング』

闇を征服するがごとく輝く夜の大東京。それを見下ろすPictoria本社ビル、地上200階。
特設デスマッチ・デュエルスペースに乙姫つづりはいた。
首には天井から下がる荒縄が結わえ付けられている。
鋼鉄の決闘台の対面に座る、久寝ねねこの首にも。
これから始まるのは、ただのデュエルではない。シ合だ。
命を賭けた遊戯がこれからはじまる。

1回戦の相手は久寝ねねこ。歴戦の猛者である。
強敵だ。
しかし乙姫つづりとしても、ここはゆずるつもりはない。
絶対に勝たねばならない戦いだった。両者の目から雷が走り、火花を散らして激突する。

しかしギャラリーの注目は、乙姫つづりたちではなく、もう一つの決闘台で睨みあう二人に集まっていた。

一人は、赤髪の活発そうな少女。
圧倒的な科学力で勝負を制する、未来からの救世主。優勝候補筆頭。
笑羽良はり。

そしてもう一人は、軍服をまとった威風堂々たる少女。
日本国自衛軍総帥。
令夜みり。

龍虎のごとく睨み合う両者。
闘気がデュエルスペースを荒れ狂い、観客席にいたプロデューサーのザレス山田は既に気を失っていた。
その対峙は、いつまでも続くかに思えた。

「二人とも。勝負はカードでつけるように」
審判が割り込んだ。
エルムアウリー星王子。絶対王者。梓星ゆえ。
デュエルスペースを覆っていた闘気が霧散する。いや、4人の殺気が一斉に審判に向けられたのだ。

令夜みりが獅子のごとき形相で、目に憎しみをたぎられて言う。
「貴様の首は私が必ず獲る。覚悟しておけ」
「それは重畳。諸君らには期待している。ではデュエルを開始せよ」

勝負がはじまった。
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