「グラスぅ、グラスぅ、どこ行ってたんですかぁ……」
「もうエルったら」
私が少し席を外しただけだというのに、エルはボロボロと涙を流して、今は私にくっつき虫。
肩にぐりぐりと頭を押し付けてけるから、ちょっと痛い。
「グラス、どっかいっちゃやです。グラスはエルの側から離れちゃダメです」
「はいはい」
どうしてこの子は酔っ払うと甘えに加速がかかってしまうのでしょうか。泣いちゃうのは酔って本来のエルが出てきてるから？
「エル、そろそろ帰る？」
「んー、グラスが帰るなら」
意思決定すら私に委ねて、甘えて、私から離れようとしなくて。
面倒だとは思うけれど、私だけに甘えてくれるエルは可愛い。
可愛いエルを独り占めしたいから、今日はもう帰ることにしましょう。