君の
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《君の名》
「お前…名前呼ばれるの好きなんだな」
『うぅ、そんなこと』
「ないことねぇだろ、あんだけ善が」
『言わないでよ!ジンの声だからだっ…ああっ』
「ククッ、自爆じゃねぇか。[#dn=2#]?」
『~っ』
私は、彼に名前を呼ばれるのに滅法弱い。
とはいっても、組織内では殆ど偽名を使っているから、そもそも本名を呼ぶのなんて彼くらいだ。
「っは、…お前のコードネーム考えねぇとな」
『え?』
「名前を呼ぶ度にそんな顔されてたら、たまったもんじゃねぇし…他の野郎に見られんのも癪だ」
『っ、で、でも』
「んだよ、今更組織の一員になった事、後悔すんのか?」
『…しない。ジンがいる限りしない』
そんなときめく理由もさることながら、元FBIの私が、コードネームなんて貰っていいのか。
そう思った私を見透かしたように彼は笑った。
『…ジンベースのカクテルがいいな』
「ソノラ」
『ソノ、ラ?』
「音色という意味があるカクテルだ。俺もお前の声音は気に入ってるからな」
『ソノラ…ありがとう、ジン』
彼に、名前をもらった。
それが嬉しくて何回も口の中で呟いた。
「まあでも、二人でいる時にコードネームを使う必要はねぇな。雨月」
『うん。ジンに呼ばれるのはこっちがいい…ねぇ、私もジンの本名知りたい』
「…」
『フルネームじゃなくていいの。渾名とか、愛称でもいい』
「俺にジン以外の名前はない」
何となく、本当なんだと思った。本名がない、とか。忘れた、とか。言いたくない、とか。どれであってもジンはジンでしかないのだろう。
だったらこの世に、これ程愛しい2文字はない。
『ジン、陣、gin』
「…」
『どれも貴方なんでしょ?』
「ああ」
『ねぇ、ジン』
最期に呼ぶのは
君の名前でありますよう
そして
君が呼んだ俺の名前が
いつまでも木霊して