君の
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《君の声》
「おい、雨月…そろそろ起きろ」
『ん…』
「日が暮れる」
呼び掛ける声に目を覚ませば、こちらを覗き込むジンの目とかち合った。
『もうそんな時間なんだ…なんだかまだ眠いや』
「まあ、夜は寝かせる気ねぇしな。そのつもりならまた寝てもいいぜ?」
『…意地悪』
「ふん、誉め言葉だな」
愉しそうに笑った顔が悔しいような嬉しいような気分にさせた。
それをもっと近くで見ようと、彼の膝に横向きに座る。
『誉めてはないんだけど。仕方ないね、意地悪でも嫌いになれないんだから』
「…ククッ、嫌いになれないか」
『もう。なんで笑うの』
「いや?煽るな、と思ってよ」
尚も喉で笑いながら言葉を紡ぐ彼。
今、彼の唇と私の耳が近いからか。やけに響いて聞こえた。
『煽ってない。身が持たないもの。程々にね?』
「お前、本当に俺のこと好きだな」
『はっ!?』
「程々って、"するな"って意味じゃねぇもんな?」
『うっ…』
「ククッ、安心しとけ。壊すまでしやしねぇよ。俺もお前が好きだ」
"好きだ"
するりと耳に入り込んだ声は、頭の中でずっと反響している。
『ねぇジン。もう一回言ってよ。私もジンが好きだから』
「…、好きだ」
やっぱり、彼の声は麻薬と同等に違いない。甘く痺れるような感覚が脳を駆け巡る。
「随分気に入ったようだな。そんなにいいか、なあ?雨月」
『っ!』
耳元に寄せられた唇から零れた自分の名前にぞくぞくした。
私自身知らなかったんだ、こんなに彼の声が好きだなんて。
『ジン、録音しておきたい』
「駄目だ」
『…………………だよね……』
「録音なんざしなくても…耳にこびりつくくらい言ってやる」
愛してる、雨月
一段と低く甘く囁かれたそれは。
私の頭にいつまでも木霊した。
それでも
やっぱり君の声で
何度も聞かせて