君と僕の
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《君と僕の関係》
目を覚ましたら、テーブルにサンドイッチと野菜ジュースが置いてあった。
サンドイッチは私が好きな玉子サンド。野菜ジュースは、野菜嫌いな私の為にベルモットがよく買ってくれるやつ。
(ベルモットも来てくれたんだ…会いたかったなぁ)
この地下室に足を運んでくれるのはベルモットとジンだけだから、私の話し相手は必然的に、その二人しかいない。
何故、彼らしか来ないのか。
「…貴女の能力は悪いものに狙われ易いの。もう少し、我慢してね」
昔そう言われたまま何年も経ってる。
出かけること自体稀だが、その時はどっちかと一緒じゃなければならなかった。
でも、実際声が出ないまま人と関わるのは大変だから、この状況に不満を持ったことはない。
ベルモットもジンも、私に優しくしてくれる。………お父さんとお母さんみたいに。
私の両親が死んだ日の記憶は、ほとんどない。ただ、その日に声が出なくなったことと、燃え上がる家が遠ざかる光景だけ。
その光景を、誰かに抱えられて、誰かの肩越しにうっすら見ていたのだ。
記憶が正しければ、きっと、ジン。
だから、何も覚えていなかったのに、彼らの言葉を信じた。
“あの、燃え上がる家から、助けてくれた”
と。
玉子サンドを頬張りながらクローゼットを開ける。
そろそろジンが来る筈だから、少しでも可愛い格好をしていたい。
…………って言っても、ジンかベルモットが買ってくれる服だから、見慣れたものばかりだろうけど。
なんて思いつつ、お気に入りの黒いワンピースを着て、レースの付いた緑色のリボンで髪を飾った。
そこへ丁度、ノックが3回聞こえる。
「……起きてたか」
『ー、』
「お前はおはようかも知れねぇが、もう昼だぞ」
『っ!?』
「寝坊助」
クックッと喉で笑いながら入って来たジンに、少し剥れて見せれば。
“そう拗ねるなよ”
と、頭を撫でられた。
(ああ、やっぱり好き)
そもそも、疑ったことがない。
だって、こんなに優しい目で笑ってくれるし、からかわれることはあっても悪意を含んだ言葉をかけられたことはないから。
だからこそ。
『ーーー』
私は、ジンが好き。
「………マセガキ」
『っ、ーっ!』
「そうか、もう22か」
『?』
「いや、ガキが育つのは早いと思ってよ」
答えをはぐらかされるのが嫌で、ぎゅっと抱きついた。
「……俺も好きだ」
『!』
「絶対守ってやる」
君と僕の関係
それは、甘美な鳥籠から始まった