君と
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《君ともし》
泥のような眠りから覚めた。
睡眠時間は大したことないのに、一生分の夢をみたように疲れている。
激動を生き、愛する人に見守られて、幸せに死んだ夢。
いや、あれは紛れもなく私の一生だ。
……前世の。
『っ!』
思わず飛び起きた。
すると、隣で寝ていた人物は既に起き上がってこちらを見ている。
『え…』
「雨月、思い出したか?」
『……嘘』
「もしも生まれ変われるなんてことがあるなら、一緒に、ゆっくり生きよう。誓ったろ?俺達を死が別つことはできない。…死んでも愛してる、って」
隣で寝ていた、彼。
普通のサラリーマンで、ついこの前、プロポーズしてくれた、彼、は。
『ジン…』
夢の中…前世でも私を愛してくれた人。
ライフルや毒薬も簡単に使う、冷酷な人の癖に。弱っていく私を最期まで見ててくれた…とても優しい人。
「お前が覚えてないのはずっと気になってたが…今日か…」
『…あ、私の、命日』
「そうだ。俺が孤独になった日」
ジンの顔は前世と変わらない。
でも、少し穏やかで、たまに優しい目をするようになった。
「…なあ、婚姻届、今日出そう。お前のいない日が、無くなるように」
それに、弱音を吐いたり甘えたりできるようになった。
『うん。今度はきっと、ジンの最期まで傍にいる』
「きっとじゃねぇ。絶対だ」
ぎゅうっと、痛いくらい抱き締められる。
でも、その痛みすら幸せを感じた。
『ふふ、そんなこと言えるくらい、平和に生きてるんだね…私達』
「……」
『現世で私を見つけてくれて、選んでくれてありがとう。愛してる…』
「…ああ、俺もだ」
今度はちゃんと、結婚式挙げてやるからな
Fin.