君と
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《君と笑う》
「お前どんだけ薬のんでんだ」
『ん?健康で美しくいるための魔法の薬』
「いくらなんでも多すぎだろ」
錠剤が10、粉末が2包、液体の入ったケースも数種類。
最近は健康食品なんかも目立つ。
『若い子も結構のんでるよ。それに、毎回この量じゃない』
「お前、なんかあったのか?」
『ないよー?』
へらり、と薄っぺらく笑った雨月の横に座り込む。
ギシリ、と軋むソファーなぞ気にもせず、彼女にぐっと近づいた。
「嘘はつかない方が身のためだぜ?」
『もう、ジンは怖いなぁー』
ケタケタと笑う彼女は近づけた顔に怯みもせず、ジンの頬を撫でた。
『この前の任務で私、死にかけたじゃない?』
「…」
雨月は、任務の帰りに襲撃されて生死の境を彷徨った。
幸い、後遺症もなく今を生きている。
『あの時ね、もう一回ジンに会いたいなーって思って。死にたくないな、って思っちゃったの』
「…何が言いたい」
『いつも死と隣り合わせなんだから、くだらないことで死にたくないな、って思ったのよ』
わかった?
クスクス、と楽しそうに笑う雨月につられて。
男もクツクツと低い笑い声を漏らした。
「はっ、…違いないな」
『でしょ?』
その笑い声が耳にかかり、雨月はまた擽ったそうに笑うのだった。
君と笑う
(なにも知らずに、ただ)
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