御剣詰め合わせ2
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《見つめる眼》
まったく。
この人は絵になる。
スーツを脱ぐしなやかさ、ボタンの開いたシャツ。
スラックスのままソファーにもたれて、私の煎れた紅茶を口にする。
どこをとって見てもかっこいい。
「雨月、見すぎではないか?」
『私は見たりないくらいなんだけどな』
「毎日見てるのに、よく飽きないものだな…」
『怜侍は、私のこと見飽きちゃったの?』
「むっ、そ、そうではないっ」
『冗談だよ』
私が見足りないこと以外は。
そう付け足して彼の隣に座る。自分の紅茶も注いで、砂糖とミルクを加える。
『…あつっ』
口をつけて直ぐに離せば、隣で笑う気配がして、見上げれば目を細めた彼。
「火傷はしなかったか?」
『ん、大丈夫』
「見飽きない…というより目を離せないな」
色素の薄い、グレーの瞳から降り注ぐ視線。
その視線を独り占めできる喜びと、なんとも言えない恥ずかしさ。
その恥ずかしささえ、ちょっと心地いい。
『怜侍が私を見てくれるなら、心配かけるのも悪くないかな』
「勘弁して頂きたい…」
困ったように寄せられる眉根。なんだか可笑しくて彼に擦り寄る。
『ごめん、冗談』
本日二回目のこの台詞に、呆れたような顔をする。
そんな顔さえ見てて飽きない。
『でも、大好きなのは本当だからね』
見上げながら呟けば、"む"とだけ聞こえて。
瞼に唇が降ってきた。
(明日の朝は)
(寝ぼけ眼の君に)
(スーツを羽織る君に)
(見惚れてしまうのだろう)
Fin.
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