御剣詰め合わせ2
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《読書の秋》
『怜侍』
「…なんだろうか」
『その本楽しい?』
ソファーに座って本を読む彼。筆記体の英語でかかれた題名に、それに伴う英語の中身。
脚を組んでスラスラとそれを読んでいく姿はとても様になっていて。
時々目を細める仕草もとてもかっこいい……けど。
「雨月も読みたいのか?」
『いや、英語苦手だし』
「では、訳そうか?」
『んーん、いい』
私が来てからずっと本を読んでるのはつまらない。
私だって本好きだから、読み出したら止まらないのは解る。
解るし私も横で本を読んだらいいのだけど…
(せっかく怜侍といるのにな…)
少ない休日、やっと彼と同じ日にとれたのに。
その視線が全て本に持って行かれてしまうなんて。
やっぱり寂しいものがある。
『怜侍…本を読むの楽しいのも解るし、読んでる姿もかっこいいんだけどさ…』
「…!、雨月?」
『私のこと放っておかないで?』
ソファーの上に膝立ちして彼の首に抱き着く。
そして、驚いたように固まってしまった彼の肩に顔を埋める。
『このままだと私、本に嫉妬しちゃうから』
首に回した腕に力を込めると、パタン。と本を閉じる音がした。
「…貴女が甘えるてくるなんて、珍しいな」
『だって怜侍、全然構ってくれないんだもの』
確かに、私が子供っぽい事することはほとんどないし、拗ねたり甘えたりも無いに等しかったと思う。
私の方が年上だから、ってずっと気を張ってたのがどんどん薄らいでいく。
「…すまなかった」
『いいよ、だからちゃんと構って?…怜侍』
頬に唇を寄せると、彼も応えてくれた。
そして、彼の腕の中へ閉じ込められる。
髪を優しく撫でられるのが、少しくすぐったい。
「今日はやけに甘えただな」
『怜侍が振り向いてくれるなら、甘えたにも子供にもなるよ』
"秋は寂しい季節だからかもしれないね。"
そういった私に、彼は優しいキスをした。
この時間に
読書のような得るものは
無いかもしれない。
けど、
私の大切な時間。
読書の秋
も、ほどほどに。
fin
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