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《朝日の中で1》
ピピピピッ ピピピピッ
「……ん、………っ!?」
『おはよ、ホースケ』
「お、おはよう…起きてたの?」
『うん。5分くらい前から』
目覚ましよりちょっと早く起きた私は、隣で寝ている彼を眺めていた。
深い理由はない。何だか幸せそうに寝てると思っただけ。
そして、目覚めた彼とバッチリ目が合って。
向こうはびっくりしたという訳。
「…」
『ほら、起きよ』
拗ねた様な彼の額を小突いて、ベッドを抜け出る。
そのままキッチンへ向かって朝食を作り始めた。
しばらくして聞こえて来る彼の大声。この発声練習を聞きながら調理するのは最早習慣だ。
そして、発声練習が終わる頃には朝食も出来上がって(もしくは、朝食が出来上がる頃に発声練習を終えて)。
どちらともなく席につく。
『「いただきます」』
発声練習はお腹が空くのだろうか。私は朝はあまりお腹に入らないけど、彼はしっかりと食べる。
だから、できることなら栄養とか彩りとか色々考えて作りたい。
でも、朝作れるものなんて、私の力量じゃ大体限られている。
今日だって、ご飯とハムエッグに、昨日の残りを温めた野菜スープ。
そんな、ありきたりなメニューにも、
「ごちそうさま!」
万遍の笑みで彼はそう言ってくれる。
『お粗末様でした』
その度に、"夕飯はちゃんとしたもの作ろう"と心に決めるのだ。
無論、実行できない日もあるけれど。私なりに一生懸命料理をするには、彼のその笑顔が大切な原動力。
「粗末じゃないよ。美味しかった!」
謙遜、というよりは決まり文句のそれにさえ異議を申し立てられた。
ハムエッグなんて、焼くだけで工夫の余地はほとんどないメニューなのに。
本気で褒めてくれるものだから、ちょっと恥ずかしい。
けど、私は彼のそんなところが大好きだ。
『ありがとう』
なんか、朝から幸せになれる。
「あ!そろそろ行ってきます!」
『いってらっしゃい、気をつけてね』
「大丈夫!」
元気な後ろ姿を見送りながら、その幸福を噛み締めた。
(今日の夕飯は、ホースケの好きなもの作ってあげよ)
Fin