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《朝のヘアセット》
髪を撫でられるような感覚と、微かに聞こえる目覚ましの音に、重たい瞼を開けた。
「おはよう、お姫様」
『おはよう…もう朝?』
開き切らない目を擦っていれば、ぽんぽんと頭を叩かれて。
ああ、いつも通りの朝だ。と思った。
『んー…っ、今日は響也からね』
ジャケット以外を着替え終えた彼をドレッサーの前に座らせて。ドライヤーとブラシを手に持つ。
私達の日課は、お互いの髪を梳かしあうこと。
私はこの時間が好き。
巻いていない金髪を丁寧にブローして、ヘアアイロンで緩く巻いた髪をセットしていく。
シャンプーの匂いと響也自身の匂いが、髪を梳かす度に鼻腔をくすぐる。
『…うん。カッコイイ響也の出来上がり』
「ありがとう。じゃあ、可愛いお姫様を完成させようかな?」
今度は私が座って、彼が後ろに立って。ドライヤーの温風が髪を撫でる。
少し髪を引っ張られる感覚とか、時折触れる彼の手だとか。幸せで仕方ない。
たまに鏡の中で目が合うと、ものすごく恥ずかしいけど。
「…さあ、いいかい?」
『うん、ありがとう…、っ?』
立ち上がろうとすれば、肩に手を置かれて。やんわりと抑制された。
かと思えば鏡越しに見えた、私の頭の天辺あたりに唇を寄せた彼。
いつもはされない行動に、恥ずかしいやら嬉しいやら。
『…もう』
「ごめんよ、あんまり幸せそうな顔して可愛かったから」
ああ。
朝なのに、朝なのに。
調子を狂わせた彼へ、ささやかな仕返し。
肩に置かれた手を引いて、その指先に口づける。
そして、鏡越しにその顔を見れば。驚いたような顔のあと、少し困ったように笑った。
『もう、行く時間かな…?』
「…だね。今日は早く帰るよ」
『ん。解った』
玄関から送りだした背中が、いつもとは違う気がした。
(やっぱり)
(抑えておくべきだったな)
(あんな反撃をされたら)
(夜が待ち遠しいじゃないか)
早く、帰ってこないかな
Fin.