水っぽいお題2
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《海水浴》
「だからさ、俺は泳げないんだって」
『海に行く理由は泳ぐだけじゃないでしょ?ね、行こうよ』
「えー…」
私の彼氏、王泥喜法介は盛大にごねていた。
折角の夏休み、海に行きたい私と涼しい部屋から出たくない彼との些細な口論。
『ねー、海の家でカレーと焼きそば食べようよ』
「それなら家でも食べれるじゃん」
『水平線に沈む夕日見ようよ』
「映画でも借りる?」
『…もうっ!少しは考えて!』
畳に寝転がる彼を揺すって私は頬を膨らます。
彼はめんどくさそうに眉間を寄せて、私の腕を引いた。
『うわっ!?』
当然、私は倒れこんで。彼の胸へ飛び込む。
…こいつ、クーラーの直下にいたな。腕が冷たい。
「…俺はゴロゴロしてたい」
『………。ダメ、その手には乗らない!』
この、甘えた目で見てくるのは本当に
狡い。
私は何度となくこれで『しょうがないなぁ』と意見を変えてきた。
…けど、法介は私の全力のぶりっ子でも靡かないのだから、癪に障るというもの。
今回ばかりは負けてたまるか。
『…ねえ、法介に見てほしくて水着も買ったんだよ?』
「…今着てくれていいよ」
『やだよそんなグラビアみたいな図』
「ええ…」
『……、そう、法介は私の水着に興味ないんだ』
「だって自分が着たいだけだろ」
そんなに海嫌なの?ねえ?
…なら、仕方ない。
『……法介と、海に行ったっていう思い出がほしかったんだけど、そこまでいうなら無理強いしないよ』
「…」
『ガリュー検事と行ってくるから』
「えっ!?」
『私は海に行きたいの。水着を着て、似合うって言ってくれる人と海の家でカレー食べて、砂浜で遊んで、水平線に沈む夕日見て…今日は楽しかったねって言いたかったの』
「……っ」
『…法介とが良かったけど…嫌なんだもんね。法介の提案は全部家で出来るから夏じゃなくてもいいでしょ?…ああ、安心して、夜には帰ってくるから』
仕方ない、押してダメなら引いてみな。
これで引き留めなかったら本当にガリュー検事と行ってやる。丁度、お誘いも来てるし。
「夜にはって…今から?」
『うん。さっきね、浜辺でバーベキューするって連絡あったんだ。法介とは明日もゴロゴロできるでしょ?ちょっと行ってくるよ』
水着持って、日焼け止め持って…と、起き上がりかければ。再び強い力で腕を引かれる。
…、当然、私は彼の胸へ飛び込むわけで。
「…意義あり」
『どうぞ』
「………そんなに、海に行きたいの?」
『うん。凄く。できるなら、法介と』
「……明日、俺が行くって言ったら、今日はガリュー検事と行かない?」
『…そうだね。水着だって一番に法介に見せたいし』
「………っ、ああ、もう、わかったよ!川でも海でも明日行くから、断って」
グリグリと、輝くおでこを擦り寄せられた私は心の中でガッツポーズをした。
『わかった、約束だよ?』
よっし!海!彼氏と海!法介と海!
(ガリュー検事、今日は無理ですごめんなさい)
(OKー、でも、明日から天気崩れるみたいだから、残念だったね)
(え)
………はかられた!
Fin