湖

《湖畔》


『静かな湖畔の森の影から～ご機嫌いかがと鳴くよカッコウ～』

「ん？羽影君、その歌詞の最後は"ご機嫌いかがとカッコウが鳴く～"ではないか？」

『えっ？私、保育園に行ってる時から"鳴くよカッコウ"って歌ってるよ？』

「そうなのか？自分はずっと"カッコウが鳴く"なのだが…」

『もともと日本の歌じゃないし、色々あるのかもねー』


こんな話になったのは森の湖の近くに凶器を捨てた、なんて供述を犯人がしたから。
湖畔を金属探知機で探してるけど、古い歯車や空き缶に反応していてちっとも見つからない。
それで２周目３周目にはこんな雑談が始まったのだ。


"ピーッ"


『ん？カッコウじゃない鳥の声がする』

「あの鳴き声は、ギンじゃないか？」

『あー…夕神検事待ちくたびれてんだね』

「ひとまず、見つからないと報告しておこうか』

『だね』







静かな湖畔で凶器探し




(あーあ、デートならよかったのに)


Fin．