水っぽいお題
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
潮
《潮風》
『ダイアン!飛ばしすぎだって!』
「ああ?何だって?」
『スピード上げすぎ!』
「聞こえねぇよ」
海岸沿いを走る、二人乗りのバイク。
しばらく走って止まったのは同じく海岸沿いの人気ない駐車場。
降りたのは髪を下ろしたダイアンと雨月。
『あーもう振り落とされるかと思ったぁ』
「言ったろ?しっかり捕まってろって」
『捕まってたよ!もう握力の限界!腕も震えるくらい!』
「だらしねぇなあ」
『うっさい!』
「ほら、せっかく海まで来たんだからそう怒んなって」
『真冬の日本海に彼女連れて来る?フツー…』
忙しいのは解ってる。
でも、デートはしたいし、海にも行きたかったし、ダイアンのバイクにも乗りたかった。
「俺にフツーを求めんなよな」
『…そうだね。ダイアンと海に来れた、それで十分だよ』
「やけに物分かりいいじゃね」
『諦めたのよ、ダイアンにフツーを求めんの』
「んだよ、なんならこれから南半球行って真夏のビーチでも行こうか?」
『あはは、ダイアンらしい。それもいいね』
彼の隣で馬鹿言い合えるだけで、十分楽しい。
本当は、海じゃなくてもいい。ただ、皆が楽しむようなデートを私もしてみたいと思っただけ。
『ね、もっと何処かへ連れていって。ダイアンが好きなとこ、私と行きたいとこ』
でも、フツーなんてどうでもいい。
彼がいれば何処だってきっと楽しいはず。
「ああ?俺はお前が後ろに乗ってりゃ、何処までだって走るぜ?それこそ、お前の行きたいとこ、何処までもな」
『本当?もうスピードだしすぎないでね?振り落とされちゃいそう』
「出すに決まってんだろ?」
"そうするとお前、普段しないくらい抱き着いて来るからな"
潮風をきって
二人は何処までも
Fin.